「どうしてこんな所に、雨宮が居るんだ?!」
しかもこんなモノを持って・・・ って思いっきり溜め息吐かれたし
「先生に言われたくないです。」
「お前は・・・」
怒りにプルプルと震えるコマ坊。
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「あ、まただ・・・」
「!」
らーらー、らららー・・・
途切れ途切れのメロディーに重なる歌声
「冗談じゃないぜ!」
突然コマ坊が叫んだ。
「ど、どうし・・・って、うわぁ!?」
「やってられねーよ!歌姫さん、気ぃ早すぎだっての!!」
それだけ言って、私の腕を引っ張りながら歩く。 こんな古い洋館の中を迷いも無く進めるって事は やっぱしこのお屋敷はコマ坊の家?!
引かれる腕が少し痛い、無言のまま歩いていると 一つの扉お前で止まった。
周りに比べると少しはマシな扉だわ。 ココがコマ坊の部屋とか?
私を連れ込んでナニする気だよ、この似非教師!!?
乱暴に扉を開け、私を部屋の中に押し込む。
「いいか?ここから絶対に出るなよ! 俺が迎えに来るまで絶対だ!何かがノックしても絶対にだぞ!!」
『何かが』ノックしてもって何?!!
「ちょ、ちょっと?」
「歌姫さん。言っておくが、この娘は俺の生徒だ。 巻き込むことは絶対に赦さない。アンタの身勝手な行動で 万が一の事が起きたなら・・・その時は、アンタの願いは叶えない。」
コマ坊が突然独り言を!?
あれ、でもさっきコマ坊に投げつけた オルゴールに向かって喋ってる気もする
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訴えるような痛々しいメロディーが流れる。
「言い訳なんて聞きたくない。」
即答するコマ坊。 そっちも気になるけど、この部屋の飾りは一体? 俗に言う、魔法陣だの水晶だの蝋燭だの・・・ まるで黒魔術の儀式をするような雰囲気が 怪しさ満点って感じ。
「雨宮。俺がこの扉を自分で開けるまで絶対にこの部屋にいろ! 絶対に部屋の外に出るな!ココが一番安全だから・・・ちゃんと約束は守れよ!?」
『開けるな』『部屋にいろ』『一番安全』 この場所が危険ですって言ってるじゃん!!
「歌姫さん。アンタも、あの娘の体使って屋敷の中を動き回らんでくれよ。」
私の体を使う!? まさか、まさかあのオルゴールって・・・
否。このお屋敷自体 呪われてるんじゃ・・・?
私はとんでもない事に首突っ込んだの?!!
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