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私とコマ坊 作者:isaku

第1回   学校の裏口にて
出会いは私の通う高校の教室。
私は生徒、あの人は教師。
その関係が変わることなんて無いと思った。
今もこの関係は変わっていない・・・と思う。
出会った頃と大きく違う点は、たった一つ。




私が、普通の人には見えない何かを
視つける事ができるようになった、それだけの事。






事の発端は、本当にただの気まぐれ
その日は少しだけ冒険したい気分だったのだ。



その一 学校の裏口にて





「はぁぁぁぁぁ・・・やっとテストが終わったぁ
 コレで貫徹しなくてイイし、いっぱい遊べるわ!!」


気分も良いし、帰りに寄り道しちゃえ!

な〜んて思いながら昇降口に向かってスキップ!
そしたら私の前20メートル先に担任のコマ坊が
ふわふわと揺れる白髪混じりの目立つ頭を低くして
こそこそと裏口へ向かっていくではありませんか。

コマ坊って言うのは、さっきも言ったけど
担任の先生、フルネームは駒坂 望
その人のあだ名なのだ。

一体何があるのだろう
というか、アレで周りを窺っているの?
挙動不審者じゃないかな、アレ。


「・・・気になるわねェ・・・」


今の自分なら、ニヤリと効果音が付く位の笑みを
顔中に貼り付けていられるかもしれない。

「あ!!ケイカ、パフェ食べに行かない?
 近くに新しい店できたんだってさ、ね!行こう!!」


私の後ろから親友の綾乃が声を掛けてきた。
普段なら二つ返事でOKだすけど、今日はねぇ・・・


「ゴメン!今日はちょっと用事があるの!
 埋め合わせはするから、マジでゴメン!!じゃぁね!!」


急いでコマ坊を追う。
昇降口にダッシュして、靴をコンマ一秒で履く
そして陸上部も吃驚な速さで学校の裏口へ更にダッシュ!!


「!・・・コマ坊発見。逃がさなくてよ。フフフフ。」


・・・・?
・・・・・あれ・・・?
コマ坊って、白髪の割合多かったけど
頭の9割方が白い訳じゃないのに・・・・え?え??




私の前方25メートル付近に髪の毛が真っ白になったコマ坊を発見した。

どう言う事?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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