■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

あの夏の日をもう一度 作者:TOMO

第3回   3
保が帰ってくる1ヵ月前から奏多と付き合っている。
奏多はあたしと違ってとても真面目な男の子。
だが、友だち付き合いもよく女子からの人気もあった。
あたしの付き合う時、女子たちから色々と言われたそうだ。
だが、『さくらのことが好きだから・・・』と言ってあたしに告白してくれた。
あたしも最初は何の気持ちも無く付き合った。
しかし、付き合いはじめたらとても大切にしてくれた。
今では好きだと自分でも思う。
そして・・・あいつが帰ってきた。

その日は來と一緒に学校をサボった。
屋上で2人で喋っていた。
屋上は生徒が入らないように鍵がかかっていた。
だが、不良な仲間とつるんでいる時に鍵を作った。
來はあたし以外にはとても無口で人と話しているのを見たことがない。
その日もいつものように放課後までサボるはずだったが、4時限目に見回りをしていた先公にばれた。
そしてそのまま職員室行き。
担任にも怒られ、他の先公にも怒られたが話なんて聞いてなかった。
説教が終わると2人で教室に向かった。
2人はA組で同じクラス、そしてそこには奏多もいる。
あたしたち2人が学校に来ると喜んでくれるのは奏多だけだ。
他の奴らは白い目であたしたちを見る。
給食時間は2人で中庭に行く。
そしてそこで飯を食う。

そして5時限目・・・。
30分ほど遅刻して行った。
どうやら自習らしい。
A組はとても静かだった。
ドアを開けるとクラスの奴らが2人を見る。
なんだこいつらかと言った感じの目で見る。
あたしの席は窓側の一番後ろ、そして來は一番前の廊下側。
喋らないようにと担任がわざと遠くした。
あたしは自分の席に向かって歩いた。
あたしの横は意図的に空けているはずなのに、男が座っていた。
もちろんそんなことあたしには関係ない・・・はずだった。
あたしが席に座ると隣の男が話しかけてきた。
『久しぶり』
久しぶり?何考えてんだこいつ・・・と男の顔を見た。
2人の目が合った。
どこかで見覚えのある顔・・・そして懐かしい顔。
『さくらだよな?』
あの時と変わらない笑顔、変わらない性格。
『た・・・もつ』
『うん』

高校1年生の夏
それは突然すぎる再会だった。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections