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あの夏の日をもう一度 作者:TOMO

第11回   大切な奴
その日の放課後
A組で事件が起こった。
1人の生徒のお金が盗まれていたのだ。

『どうせこの中に犯人がいるんだろ?』
その後の行動はだいたい予想できていた。
先公は迷わずあたしの方へと足を向けた。
『お前だろ?』
睨みつけるようにあたしは先公を見た。
『お前しかこのクラスで盗もうと考える馬鹿はいないんだよ、今謝れば土下座で許してやるよ』
『あたしはしていない』
当然のように答える先公は笑った。
『そうか、お前じゃないか・・・それなら残るは2人しかいないな。長渕!!!神藤!!お前らの2人のどちらかか・・・』
あたしは思わず立ち上がった。
そこまであたしが嫌いなのか?!
『なぜその2人になるんだ?!』
『お前ら2人は最近こんな馬鹿な不良とよくいるよな?類は友を呼ぶ・・・っていうだろ?そこの不良が違うならお前らしかいないな!!!!』
その言葉にあたしは切れた。
思わず不良の時の癖が出てしまった。
思いっきり壁に先公を打ちつけ胸座を掴んだ。
『あたしのことは馬鹿にしていいよ・・・でも、あたしの大切な奴らを馬鹿にするのは許さない!!!』
『黙れ糞が』
そういうと先公は力いっぱいあたしの腹を殴った。
あたしはその場にしゃがみ込んだ。
『ガキが大人をなめてんじゃねーよ!!!』
そういうと腹を何度も蹴られた。
やっと終わったかと思ったらあたしを無視して話を進めた。
蹴られるのは慣れている。
あたしは立ち上がった。
クラスの奴らは心配そうな目で見てくる。
『これ以上あたしの大切な奴を傷つけるな』
あたしは腹を押さえないで席に座った。

家に帰った腹を見た。
青紫色なっていた。
ひくまで最低1週間はかかるだろう。
だが、あたしの大切な奴を守るならこんな体ぐらい死神にだってやるよ・・・。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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