その日の放課後 A組で事件が起こった。 1人の生徒のお金が盗まれていたのだ。
『どうせこの中に犯人がいるんだろ?』 その後の行動はだいたい予想できていた。 先公は迷わずあたしの方へと足を向けた。 『お前だろ?』 睨みつけるようにあたしは先公を見た。 『お前しかこのクラスで盗もうと考える馬鹿はいないんだよ、今謝れば土下座で許してやるよ』 『あたしはしていない』 当然のように答える先公は笑った。 『そうか、お前じゃないか・・・それなら残るは2人しかいないな。長渕!!!神藤!!お前らの2人のどちらかか・・・』 あたしは思わず立ち上がった。 そこまであたしが嫌いなのか?! 『なぜその2人になるんだ?!』 『お前ら2人は最近こんな馬鹿な不良とよくいるよな?類は友を呼ぶ・・・っていうだろ?そこの不良が違うならお前らしかいないな!!!!』 その言葉にあたしは切れた。 思わず不良の時の癖が出てしまった。 思いっきり壁に先公を打ちつけ胸座を掴んだ。 『あたしのことは馬鹿にしていいよ・・・でも、あたしの大切な奴らを馬鹿にするのは許さない!!!』 『黙れ糞が』 そういうと先公は力いっぱいあたしの腹を殴った。 あたしはその場にしゃがみ込んだ。 『ガキが大人をなめてんじゃねーよ!!!』 そういうと腹を何度も蹴られた。 やっと終わったかと思ったらあたしを無視して話を進めた。 蹴られるのは慣れている。 あたしは立ち上がった。 クラスの奴らは心配そうな目で見てくる。 『これ以上あたしの大切な奴を傷つけるな』 あたしは腹を押さえないで席に座った。
家に帰った腹を見た。 青紫色なっていた。 ひくまで最低1週間はかかるだろう。 だが、あたしの大切な奴を守るならこんな体ぐらい死神にだってやるよ・・・。
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