次の日から麻耶が保にベタベタするようになった。 保の机の上に乗り、保の手を握っている。 そして保は・・・笑っている。 結局あたしへの気持ちはそんなものだったんだ。 呆れてものが言えなかった。 だが、麻耶の一言であたしは切れることになった。
『保が付き合ってくれてよかったー、誰かさんは振られたっぽいし』 明らかにあたしを見て言った。 我慢の限界・・・あたしは切れた。 『さっきから見れりゃベタベタと・・・うざいんだよ。いちゃつくなら場所を選べ』 『何よ?噂で聞いたけど奏多くんにふられたんだってねだからあたしに当たってるんでしょ??うわー嫉妬って怖ーい!! だいたいね、あんた自惚れ過ぎ。奏多くんがあんたみたいな不良に本気になると思う?思ってたらばかよね・・・あんたはしょせん暴力不良ばか女!!!』 そう言って麻耶は笑っている。 保は笑顔ではなくなっていた。 あたしは馬鹿馬鹿しくなって教室から出ようとした。 『何も言わないってことは当たってるんだー、ばー・・・』 『黙れ!!!!』 今まで静かに本を読んでいた奏多が机に本を打ちつけ立ち上がった。 『きみにさくらの何が分かるんだ?僕がさくらをふった?逆だよ!!!僕がふられたんだ。 何に君は噂、噂って・・・きみは噂しか信じないのか?それにさくらは自分の大切な人を守るときにしか暴力は使わない!!!そんなさくらをきみは知らないだろ?なのにきみがさくらのことをボロクソ文句を言う資格はない!!!』 さすがの麻耶も何も答えなかった。 クラスの人たちも驚いた表情をしていた。 『そこまで怒らなくても・・・』 『麻耶謝れ』 黙っていた保が口を開いた。 『さっきのはお前が悪い、さくらをこれ以上馬鹿にすると俺が許さない』 保がさくらをかばいクラスの人たちはボソボソ何かを言っている。 そのあと麻耶は無言のまま教室を出て行った。
あたしは保がとった行動が理解できなかった。 彼女であるはずの麻耶を守らずあたしを守ってくれた。 もしかしたら・・・・まだ、チャンスがあるの?
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