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あの夏の日をもう一度 作者:TOMO

第1回   おかえり
あたしは小学6年生
空を見上げるととても青く透き通っている。
汚い大人には見えないだろう・・・。
小学生のときのあたしは何も知らないとてもきれいな心を持っていた。
純粋で何も知らない世界、汚い大人の世界に入っていないきれいで大きな花だった。


【薩華保くんが1学期をもって転校することが決まりました】
それを聞いたときあたしは呆然とした。
あまりにも突然すぎて頭が真っ白になった。
保が転校するまであと2日。
何で今頃そんな大切なことを言ったのか私には理解できなかった。
あたしと保は小さい頃から仲が良く保の双子の弟の良と3人でよく遊んだ。
そんなあたしにも言わなかった・・・もっと早く言えたのに、どうしてもっと早く言ってくれなかったの?
小学生のときのあたしはあまりにも子供すぎた。
学校で行なった保のお別れ会のときは全く喋らなかったと思う。
お別れ会だっていうのにどうしてそんなにはしゃげるの?騒げるの?
あたしには全く理解できない。
1日をつかったお別れ会も私にとってはほんの1時間ほどで過ぎたような気がした。
そしてお別れの日
涙も出なかった、保を前にしたときは怒りが込みあがっていた。
保に話しかけられても無視、喋る気なんて全くなかった。
学校の門の前でみんなは騒いでいた、はっきりいってうるさい。
保はそのまま行ってしまった。
あたしの気持ちに気付きもしないで・・・


それからだ、あたしの性格が変わってしまったのは。
中学受験も忘れ夜遊び、喧嘩三昧だった。
親の言うことも先生が言うことも全く聞かなかった。
だが、來だけはあたしの心に入ってきた。
來はあたしのことを理解してくれたし、あたしも來を理解した。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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