「それから私はいろんなことを考えた。今までにないくらい真剣に。多分・・・どんな仕事をするよりも難しかった。そして、今まで自分がしてきた事の重さを知ったの。犯罪とか、処罰とか・・・そんな事はどうでもよかった。だって今までそんなこと考えなかったんだもん。今さら、考えないくらい馬鹿なことをした自分のせいだからね。それよりも・・・自分が解決してきた事件は、解決すればそれで終わりだった。でも、親族や、恋人、友人はそれでは終わらない。私に一生の恨みをもって、過ごしていたんだってこと、初めて気付かされたの。・・・あなたたち、氷帝テニス部のおかげでね。」
ゆっくりと部室にいる全員の顔を見回すと、奈乃香さんは少しうつむいた。
まるで、泣いているかのような雰囲気がでていた。
そんなことはないのだろうけど・・・。
「亮が、テニス部の皆や、跡部君の為を思って泣いているところ。跡部君が私のことを信じていると、真実を言うまで責めずに待っていると言ってくれた事・・・皆が、誰かのために一生懸命に何かをしてるところをみて・・・自分が情けなくなって・・・自分がどうなっても良いから、すべてを話したいと思ったの・・・。」
顔を上げなかった。俺らがどんな表情してるか知らないんだろ? 俺たちは・・・皆・・・ もうお前の事責めるような顔してねぇよ。 皆・・・泣きながらお前の方見てんだよ。 犯罪者なんて誰も思ってねぇ。 伝えてくれた事に感謝しながら 真剣にお前の話聞いてんだよ。 普段は泣かないやつかもしれない。 だけどな・・・?まだ俺たちの事信用できないか?仲間と思えないか? 仲間に・・・泣いてるところは見せたくないか? 泣けよ。思いっきり。なにを思ってお前は俺たちに真実を伝えている? なぁ。教えてくれよ・・・。
「ありがとうね、聞いてくれて。マスコミがさぁ・・・外でうるさいんだよねっ・・・。早く出て行って話さなきゃ・・・。警察の人に捕まんなきゃ・・・。ココから・・・いなくなんなきゃ・・・っ」
そう言って、奈乃香さんは出て行こうとした。俺たちに、顔を見せないまま。 どうだよ?一度こっちを見てみたら。 宍戸だって、さっきお前を責めてた忍足たちだって、 皆泣いてるんだぜ?
お前がいなくなる事が、怖くて、悲しくて・・・
「待てよ・・・っ!」
・・・宍戸。
「なぁ・・・っ悪かった・・・さっきあんなこと言って・・・!」
向日・・・。
「すまん・・・自分の気持ち考えんとあんなこと言うて。」
・・・忍足。
「やだよぉ・・・いなくなんないでよ・・・っ」
ジロー・・・。
ほらな、皆・・・お前が必要なんだよ。 いなくなるなよ・・・っ!
「なぁ・・・俺たちに・・・顔見せろよ。」 「・・・ぇ?」
立ち止まった。確かに、驚くよな。
「奈乃香さん・・・いや、奈乃香。俺たちはもうお前の事を嫌だなんてこれっぽっちも思ってねぇよ。お前はどうだ?・・・俺たちのこと、仲間だとは思えねぇか?悲しい時は、泣いてもいいんだぜ?辛い時は、頼っていいんだぜ?そういうもんなんだよ。お前の知らない仲間ってのは。」
まだ、俺たちに背を向けたままだ・・・。
「知らなかった事はこれから知っていけよ。俺たちは・・・この世の誰がお前の敵になろうと、お前の事信じてるよ。仲間だと思えるよ。泣いてるとこ・・・見せていいんだぜ?耐えるなよ。我慢するなよ!俺たちはいつだって見守ってやるから・・・!」
ガチャ・・・バン
結局、奈乃香は俺たちに背を向けたまま出て行った。 信用して・・・もらえなかったか・・・。
「・・・・・・・・・べっ・・・跡部!!!」 「ぁ・・・ぁん?なんだよ・・・。ジロー」
声に気付かなかった。
「なんか、外からスゴイたくさん声が聞こえるって!!マスコミ・・・!?警察!?奈乃香・・・捕まっちゃうの!?やだっっやだよっっっ!!!」 「なんだと!!!???」 「跡部ぇ・・・助けてよっ!奈乃香助けてよ!!!!」 「俺なんであんなこといったんだろ・・・!言わなければよかった・・・!ただでさえ辛い思いしてるやつに、あんなひどい言葉・・・!」 「跡部っすまんかった・・・。奈乃香を・・・助けてくれんか??」
バンッッ
考えてる暇なんてなかった。 早く、あいつに非がない事を言わなければ・・・。 そうすればあいつは解放されるかもしれない。
「!!奈乃・・・香・・・??」
「君が、宍戸奈乃香だね。実年齢は・・・18歳だっけ?罪が色々ありすぎて口で言う暇がないんだがね・・・。とりあえず、あんな大きな会見を開いたんだ。今さら言い訳は出来ないね?認めているんだろう?ご自分で。」 「もちろんですよ。それが目的で、会見を開いたのですから。」 「じゃぁ、詳しい話は署のほうで。詐欺行為などの容疑で、署まで連行させてもらいますよ。」 「どうぞ。」
何で・・・あんな笑顔なんだよ?この場に及んで、まだ演技が出来るのか・・・!? それとも・・・さっき俺たちに見せた表情の方が、演技なのか・・・!?
「なぁっ今回の仕事の件はっ全然構わないからっ、親父が悪いんだし・・・っなぁっそいつを解放させてあげてくださいよ!お願いします!!」 「跡部君・・・。」 「君、しかしねぇ・・・。」 「大丈夫ですから・・・!」
「・・・冗談じゃないわよ。今回のことはどうであれ、それまでに私はありえない数の犯罪を起こしてきた。今回の事が許されようがどうであろうが、それまでのことが罪にならないはずがない。そうでしょう?」 「でも・・・っ!!」 「さぁ、行くよ。時間もないからね。」
「ちょっと・・・待ってください。」
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終わらなかった・・・終わるんじゃなかったのだろうか・・・? 終わるつもりで書けば書くほど次々と書きたいことが出てきて・・・ なんてまとまりのない文章なんだろう・・・。 なんか伝えたいことはたくさんあったんですけど、 まとまらないですねぇ・・・。 今度からはちゃんと伝えたい事をまとめて行きたいと思います!
それでは・・・次こそ最終回でありますように(ォィ
それでは、感想よかったらお願いします! ナツ
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