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コドナ 作者:ナツ

第27回   27
「それから私はいろんなことを考えた。今までにないくらい真剣に。多分・・・どんな仕事をするよりも難しかった。そして、今まで自分がしてきた事の重さを知ったの。犯罪とか、処罰とか・・・そんな事はどうでもよかった。だって今までそんなこと考えなかったんだもん。今さら、考えないくらい馬鹿なことをした自分のせいだからね。それよりも・・・自分が解決してきた事件は、解決すればそれで終わりだった。でも、親族や、恋人、友人はそれでは終わらない。私に一生の恨みをもって、過ごしていたんだってこと、初めて気付かされたの。・・・あなたたち、氷帝テニス部のおかげでね。」

ゆっくりと部室にいる全員の顔を見回すと、奈乃香さんは少しうつむいた。

     まるで、泣いているかのような雰囲気がでていた。

          そんなことはないのだろうけど・・・。

「亮が、テニス部の皆や、跡部君の為を思って泣いているところ。跡部君が私のことを信じていると、真実を言うまで責めずに待っていると言ってくれた事・・・皆が、誰かのために一生懸命に何かをしてるところをみて・・・自分が情けなくなって・・・自分がどうなっても良いから、すべてを話したいと思ったの・・・。」

顔を上げなかった。俺らがどんな表情してるか知らないんだろ?
俺たちは・・・皆・・・
もうお前の事責めるような顔してねぇよ。
皆・・・泣きながらお前の方見てんだよ。
犯罪者なんて誰も思ってねぇ。
伝えてくれた事に感謝しながら
真剣にお前の話聞いてんだよ。
普段は泣かないやつかもしれない。
だけどな・・・?まだ俺たちの事信用できないか?仲間と思えないか?
仲間に・・・泣いてるところは見せたくないか?
泣けよ。思いっきり。なにを思ってお前は俺たちに真実を伝えている?
なぁ。教えてくれよ・・・。

「ありがとうね、聞いてくれて。マスコミがさぁ・・・外でうるさいんだよねっ・・・。早く出て行って話さなきゃ・・・。警察の人に捕まんなきゃ・・・。ココから・・・いなくなんなきゃ・・・っ」

そう言って、奈乃香さんは出て行こうとした。俺たちに、顔を見せないまま。
どうだよ?一度こっちを見てみたら。
宍戸だって、さっきお前を責めてた忍足たちだって、
皆泣いてるんだぜ?

          お前がいなくなる事が、怖くて、悲しくて・・・


「待てよ・・・っ!」

・・・宍戸。

「なぁ・・・っ悪かった・・・さっきあんなこと言って・・・!」

向日・・・。

「すまん・・・自分の気持ち考えんとあんなこと言うて。」

・・・忍足。

「やだよぉ・・・いなくなんないでよ・・・っ」

ジロー・・・。

ほらな、皆・・・お前が必要なんだよ。
いなくなるなよ・・・っ!

「なぁ・・・俺たちに・・・顔見せろよ。」
「・・・ぇ?」

立ち止まった。確かに、驚くよな。

「奈乃香さん・・・いや、奈乃香。俺たちはもうお前の事を嫌だなんてこれっぽっちも思ってねぇよ。お前はどうだ?・・・俺たちのこと、仲間だとは思えねぇか?悲しい時は、泣いてもいいんだぜ?辛い時は、頼っていいんだぜ?そういうもんなんだよ。お前の知らない仲間ってのは。」

まだ、俺たちに背を向けたままだ・・・。

「知らなかった事はこれから知っていけよ。俺たちは・・・この世の誰がお前の敵になろうと、お前の事信じてるよ。仲間だと思えるよ。泣いてるとこ・・・見せていいんだぜ?耐えるなよ。我慢するなよ!俺たちはいつだって見守ってやるから・・・!」

ガチャ・・・バン

結局、奈乃香は俺たちに背を向けたまま出て行った。
信用して・・・もらえなかったか・・・。

「・・・・・・・・・べっ・・・跡部!!!」
「ぁ・・・ぁん?なんだよ・・・。ジロー」

声に気付かなかった。

「なんか、外からスゴイたくさん声が聞こえるって!!マスコミ・・・!?警察!?奈乃香・・・捕まっちゃうの!?やだっっやだよっっっ!!!」
「なんだと!!!???」
「跡部ぇ・・・助けてよっ!奈乃香助けてよ!!!!」
「俺なんであんなこといったんだろ・・・!言わなければよかった・・・!ただでさえ辛い思いしてるやつに、あんなひどい言葉・・・!」
「跡部っすまんかった・・・。奈乃香を・・・助けてくれんか??」

バンッッ

考えてる暇なんてなかった。
早く、あいつに非がない事を言わなければ・・・。
そうすればあいつは解放されるかもしれない。


「!!奈乃・・・香・・・??」


「君が、宍戸奈乃香だね。実年齢は・・・18歳だっけ?罪が色々ありすぎて口で言う暇がないんだがね・・・。とりあえず、あんな大きな会見を開いたんだ。今さら言い訳は出来ないね?認めているんだろう?ご自分で。」
「もちろんですよ。それが目的で、会見を開いたのですから。」
「じゃぁ、詳しい話は署のほうで。詐欺行為などの容疑で、署まで連行させてもらいますよ。」
「どうぞ。」

何で・・・あんな笑顔なんだよ?この場に及んで、まだ演技が出来るのか・・・!?
それとも・・・さっき俺たちに見せた表情の方が、演技なのか・・・!?

「なぁっ今回の仕事の件はっ全然構わないからっ、親父が悪いんだし・・・っなぁっそいつを解放させてあげてくださいよ!お願いします!!」
「跡部君・・・。」
「君、しかしねぇ・・・。」
「大丈夫ですから・・・!」

「・・・冗談じゃないわよ。今回のことはどうであれ、それまでに私はありえない数の犯罪を起こしてきた。今回の事が許されようがどうであろうが、それまでのことが罪にならないはずがない。そうでしょう?」
「でも・・・っ!!」
「さぁ、行くよ。時間もないからね。」




「ちょっと・・・待ってください。」



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終わらなかった・・・終わるんじゃなかったのだろうか・・・?
終わるつもりで書けば書くほど次々と書きたいことが出てきて・・・
なんてまとまりのない文章なんだろう・・・。
なんか伝えたいことはたくさんあったんですけど、
まとまらないですねぇ・・・。
今度からはちゃんと伝えたい事をまとめて行きたいと思います!

それでは・・・次こそ最終回でありますように(ォィ

それでは、感想よかったらお願いします!  
  
              ナツ

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Novel Editor by BS CGI Rental
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