「会見...終わったな。」 「跡部、もうすぐ戻ってくるかなぁ...?」 「和は...?ねぇ和は!!??戻ってくるの!?話してくれるの!?俺たちに...ちゃんと向き合って語ってくれるの!!!???宍戸っ...答えてよ...!!」 「......っっ!わからねぇ...俺にはわからねぇよ...!」 「...ゴメン。宍戸...。」
ジローが亮に謝り、シンとした... そのときだった...。
バンッッッッッ
「っ!!跡部!!!!」
髪はぐちゃぐちゃ。服はぼろぼろ。呼吸もままならないような状態で、 待っていたうちの1人が帰ってきた。
「〜〜ッ!ふぅっ..はぁ...っ...」
跡部が喋りだすまで、誰も喋らなかった。 ただじっと、跡部を見ていた。
「こんなにまでなるとはな...。覚悟はしていたが...それを上回っていた。」
最初に発した第一声がコレだった。 なんのことか、誰にも分からなかった。
「跡部...?なにがだ?」
岳人が聞いた声に、返事が来る、そんな瞬間...
バンッッッッッッッッ!!!
跡部の時よりももっと大きな音がして、跡部も、俺も、皆ドアの方を向いた。
「よかった。跡部君が会見会場に来たから、皆ココで見てるんだろうなぁって思ってたんだよね。違ったら俺、マスコミにつかまってたよ。」
笑顔で、跡部みたいに息切れしてなくて。幻でも見ているかのようなそんな気分だった。
「どうせ捕まりに出て行くんだけどさぁ...先に見つかったら俺皆と話せないかもしれなかったからねっ!話したい事...あるから。」
幻だったんだよな。だって、ここにいるのは和だから。現実にいない奴だから。 でも、ここにいるほぼ全員は、『奈乃香』よりも『和』の方を たくさんたくさん知ってる。 そんな俺たちに気付いたのか、奈乃香は俺たちに笑って話しかけた。
「何ビックリしてんの??亮に言ってなかったっけ?いけたら学校行くから、って。皆なんか喋ってよね。俺ばっかり喋って損みたいじゃない?」 「和...?」 「何?それすらわかんなかったの?そうだよ?和だよ。」
バンッ
「...跡部...??」
一瞬・・・ なにが起きたのか、分からなかった。
「ふざけんなよ・・・っ!!」
怒り狂ったかのように跡部は叫んだ。 そこでやっと、跡部が和を殴った事が分かった。
和は・・・ただじっと跡部の方を見ていた。
「なんとか言えよ!!!何黙ってんだよ!!なぁ・・・!何か言ってくれよ!!・・・和!お前を信じて良いのか!?俺は・・・どうすればいいんだよ!!!!」
跡部がどんな顔してんのかわかんなくなった。 すぐに自分が泣いているんだと言う事が分かった。 でも冷静に判断できて、目を袖口で拭うと周りを見回した。
皆泣いていた。ただ1人を除いては・・・。
「何もしなくていいと思うよ?皆TV観てくれたんだよね??俺さ・・・「ちょっと待て。なぁ・・・和・・・。見せてやってくれないか?本物の・・・実在しているお前を。」・・・亮。」
分かったよ。と言うように目を伏せて、和はもう一度俺たち全員の顔を見た。
「ちょっと待ってて。俺から奈乃香に変わる瞬間。職業病っていうやつかな?人に見せれないって思っちゃうんだよね。」
笑ってそう言うと、和は部室の中のトレーニングルームの中に入っていった。
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奈乃香を皆に見せます! あと少しで最終回予定・・・。 頑張ります!
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