「どうか・・・したのか??」
なんだこの女。 いきなり黙り込んで・・・。
「ぁ・・・ごめんなさい。ちょっと、ね。」 「?」 「それで・・・、結局、その人が関係してたらどうするの?」 「そうだな・・・。もし、そうだとしても俺は何もしねぇ。そいつがしたって気付いたとしても、あいつから言ってくるのを待ってるよ。」 「ぇ・・・?その人から?」 「あぁ。あいつは・・・俺たちに言ってくると信じたいからな。行動はそのあとだ。」 「そう・・・。信じてるのね、その人のこと。」
この女はいきなり切なそうにしていた。 ホントに・・・いみわかんねぇ。
「ありがとう。失礼するわ。これで。」
そう言ってこの女は帰っていった。
「ただいま。」 「・・・?奈乃香か?」 「え?あぁ・・・。うん。そうだよ。」
あぁ。この格好の事か。
「和でも奈乃香でもないんだな。今は。それ誰なんだ?」 「コレ・・・?誰だっけ・・・。えっと・・・。」 「おいおい、どうした?具合でも悪いのか?奈乃香がそんなミスするなんて。」 「ん・・・。ちょっと考え事してたから・・・。これは、確か警察官で楠田涼子・・・だったかな?」 「は!?警察?そんなこともやってんのかよ。」 「うん。ちょっとごめん。部屋に行くね。」
自分でも、変だって分かってる。 思い通りに頭と体が動かない。 なんで・・・?
ベットに座ってから、ふといろんな機械を見た。 なんだか、全部を捨てたくなって、悲しくなって、 自分を惨めに思った。 亮が言ってたのって、これの事かな? 今回の仕事で、今までに持ったことのない感情をもった。 多分、母親も父親も、周りの大人も、こんな感情を持たないようにあんな早い時期から仕事をさせて、そして・・・ 今まで感情を持たなかったことに、 喜びを感じていたんだろう。 誰も、こんな歳になってこんな感情を私が持つなんて思わなかったんだろうね。
――――――。
ふと一点に目が行った。
「・・・電話・・・。しよっかな。」
受話器を手に取り、番号を入れる。
「あ、もしもし・・・お母さん?ちょっと話があるんだけど。」
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この前の楠田さん。 敏行って書いてましたね。正しくは敏之です。 楠田敏之さん、すみません(笑
お母さん出てきました(笑 お久しぶりな登場だなぁ。 そういえばお父さん出てきた事ないなぁ。
多分次は色々変わります。
次回も読んでくれると嬉しいです!
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