「「「お邪魔しましたぁっ」」」 「また来てね?」 「じゃぁな。」
あれから、俺は奈乃香と一緒に跡部達と過ごした。 奈乃香が口を開くたびに不安になったが、ただ話しただけ、という感じだったので、 俺は気にも留めなかった。
「なぁ。奈乃香。俺・・・。奈乃香のこと信じるわけじゃないけど、敵視はとりあえずしない事にする。」 「・・・?いきなり何を言い出すかと思ったら。そんなこと考えてたの?」 「あぁ。奈乃香、まだ何もしないんだろう?」 「・・・。考え中、と言ったところかしらね?まだ分からないけど、明日、跡部景吾の人生が変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。それは、私の気分だからね。」 「・・・そうか。」 「いつ裏切ったって私は恨まないわよ?」 「分かってる。。。」
なんでだろう。こいつにこんなにも不安がないのは。
俺は明日、こいつが何かしても冷静でいられるだろうか? 俺は明日、裏切ったりしないだろうか? 何も分からないけれど、俺は決めたんだ。
今を生きる・・・。今を感じると・・・。
「じゃあね、お休み、亮。」
この天使のような奈乃香を、今は信じることにする。
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「あ?何だ、あの人だかり。」
遅れてきた俺はまだ何も知らなかった。
「あ!!宍戸っっ!!大変だよっ!跡部が!!!!」
いつもは冷静な滝の荒々しい声が俺の中でずっと止まっていた。
・・・跡部が・・・??
『今、校門にテニス部と思われる男子生徒が立っています。話を聞いて見たいと思います。』
アナウンサーらしき人が、こっちへ向かってやってきた。
『君たちは今、跡部景吾君が問題になっていることを知ってるかな?』
「あなたたち、なんなんですかっ!?出て行ってください。」
滝の焦った声が聞こえてきた。
『そっちの君は、何か知ってる?』
「・・・・・・知りません」
そう答える事しか出来なかった。
まさか、ホントに行動に・・・??
「あれ?なんなの、この騒ぎ。」
後ろで不意に聞こえた声に、慌てて振り向いた。
「か・・・ず・・・?」
『またテニス部のコですか!?インタビューに・・・』
微妙なずれではあるが、心底驚いたような表情を見せた。 もしかして、奈乃香じゃない・・・?
「ちょっと・・・。亮?どういうこと。これ。」 「お前じゃないのか・・・?」 「俺今学校に来たもん。買い物あったからコンビニによってたし、ってことは・・・。あ、そっか。自首したのかな・・・?」 「・・・?自首?」 「うん。社長が。早速連絡とってみなきゃ。」
なんでこいつはここまで冷静でいられるんだ? こんなに冷静に対処できる??
これも・・・仕事だから・・・?
「あ?社長さん?私ですけど、えぇ。えぇ。・・・こまりますねぇ・・・。そうですか。分かりました。」
またずっと、奈乃香の声が響いていた。
頭の中で、何かが崩れていくような音がしたような気がした。
************************************************************************ 短めです。 眠い・・・!! 次回、ガンバリマス!
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