次の日は雨で、絵里子は普通にあたしに接した。 きっと心の中ではあたしを良い風には思っていないんだろうけど。
そして時は過ぎ、8月も終わろうとしていた。
新学期、始業式に誰かが言った。
「絵里子が春山に告白したんだって!」 「まじ?!」 「まじまじ。好きですってさぁ。」 「絵里子なんて言ったの?」 「そこまでは分かんない!」 「きっとオッケーだろうね。絵里子だもんね。」 「あんなパーフェクトガールどこにもいないって!」
とうとうしたんだ。絵里子。 じゃあ付き合うんだ。あの2人。
あたしは?
何もしなくていいの? 逃げてばっかりで、意地張って・・・ でも何もできないよ。
あんなパーフェクトガールどこにもいないって!
そうだよね。 バカでチビで上品でもないあたしより 絵里子の方がいいに決まってる。
あたりまえじゃん。
絵「おはよう。」 汀「あ!おはよう。」 絵「聞いて、あたしハルに言った。」 汀「え、うん。どうだった?」 絵「返事は待ってくれって言われた。」
え?なんで? 心の準備ってやつですか? イマイチわかんない。
汀「絶対大丈夫だよ!」 絵「・・・だといいけどね。」 汀「絵里子?」 絵「ん?何でもない!」
この時、絵里子の様子がおかしかったのはあたしのせいだった。
あたしが絵里子を不安にさせてた。
ごめんね。
「佑太。ちょっといい?」 「なに?」 「なんで?」 「なにが?」 「待ってって言ったんでしょ?」 「うん。」 「あんた好きなくせに、こういうときは弱気なんだね。」 「何が言いたいの?」 「絵里子が不安になってる。」 「・・・。」 「ちゃんと言ってあげなきゃ失礼だよ。」 「なんでそんな事お前に言われなきゃいけないの?」 「何でって・・・。絵里子の友達だから。」 「俺の気持ちはどーだっていいの?」 「え・・・」 「ション便。」
そういって佑太はトイレへ消えていった。
いろんな言葉が錯誤した。
頑張らねぇの?
ハルのこと好きみたい。
我慢しなくていいんだぜ。
絵里子が待ってるよ。
損な性格だな。
だといいけどね。
俺の気持ちは?
俺の気持ちは?
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