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片恋 sadness  作者:比呂

第3回   第二章
その日のホームルームで先生がこんな話をした。



「来週の木曜日は瑞穂山の近くの川に行きます。
 要項はプリントを配布するので見ておいてね。
 お昼とかは各自班で作って食べます。」
「班ってどーゆーのー?!」
「男女2人ずつで好きに組んで良いいです。ケンカや仲間はずれはダメですよ!」

「はーい!!!」





ザワザワ



汀「絵里子!一緒にしよう!」
絵「いいよ!男子は・・・どうしよう。」
汀「適当に組めばいいよ!キモい男子じゃなければ。」
絵「プッ。そうだね。」
汀「誰にしよう。」
絵「そうだなー。相原君らへんは?」
汀「相原?って誰だっけ?」
絵「ホラ!前、汀が納豆嫌いって言ったら食べてくれた人よ!」
汀「・・・。あーあああ!あの人かぁ!イイ人だよね〜!!その人グループでいっか!」
絵「うん!」


汀「相原・・・・」
佑「おい!」
汀「へ?」
佑「オレ達がいるじゃぁねぇか!」
絵「あ、そうだよ!ハル達がいるじゃん!」
汀「えー。こいつらと組むの〜?」
佑「つべこべ言うなよ。」
心「オレ、料理作れる人いれば誰だって良いんだけど。」
汀「あー、じゃあダメだね!あたし作れないもん。」
佑「んなこと知ってるよ。俺達の目当ては、絵里子だから。」
絵「あたし?」
心「お前、見た目からして料理とか出来そうじゃん!」
汀「出来るの?じゃあ目玉焼き作れる?」
絵「まぁ。」
汀「負けた!あたしは作れない!」
絵「ウソ・・・。」
佑「まじかよ。俺だって作れるぜ。」
汀「・・・ご飯は炊けるよ!」
佑「俺は炊けない!」

心「最悪だよ、コイツら。」
絵「あたし全部やるよ。」
心「そーして。」

汀「そーして!」

佑「そーして!」






当日







汀「暑い。」

絵「汀!見て見て!お魚いるよ!!」

汀「それどころじゃない。」
佑「おいおい。お前ババァかよ。」
汀「暑いとイライラして絵里子のまばゆい笑顔さえ悪魔に見える。」
佑「サイテー。笑 ところでさ!あっちの山の方行ってみない?!」
心「上流の方?」
佑「そうそう!岩場の近くが面白そうなんだよな!」
汀「・・・あたしも行きたい・・・キラキラ」
心「なんなんだよ、こいつら。まじ・・・。」
汀「絵里子!あっち行ってみようよ!」
絵「危なくない?」
汀「平気平気!行こう!」



どんどん登っていくと川幅が徐々に狭くなり
あっち側にも渡れるくらいになった。


山を少し上がると木に囲まれた眺めのいい場所に着いた。
木の葉の間からは夕日が光って眩しかった。



汀「うわー!スゴイ!!」
絵「綺麗ね。」











こんな時、好きな人の笑顔が見たいと思うのは
当然のことなのでしょうか?








好きな人は夕日に照らされて
私の隣にいる親友を見ていた。



優しそうな目で、輝く彼女を見続けていた。







ああ、あなたの好きな人は


私の親友だったのか








「そっか。」












絵「ん?何か言った?」


汀「何でもない!」






分かってしまった後は、何だか変な気持ちになって
絵里子の顔をまともに見れなくなった。









夕日がやけに眩しくて




涙で滲んだ瞳を


必死で隠そうとした。




  

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Novel Editor by BS CGI Rental
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