今日もいつもの毎日が始まる。
好きになった人には好きな人がいて そんな恋も、今年で2年目だ。
絵「汀、おはよう。」 汀「あ、絵里子!おはよ!」 絵「どーしたの?今日は早いね。」 汀「あー、何か早く目覚めちゃってさ。」 絵「そっか。」
水原絵里子はあたしの親友で いつも相談に乗ってくれたり、色々な場面であたしを助けてくれる。 あたしとはまるで正反対で、頭が良く美人で白くて背がスラっと高い。 男子達はみんな怖じ気づいて近寄らない。いわゆる高嶺の花ってことだ。
絵「ハルとはどう?」 汀「んー別に普通かな。」 絵「もうケンカはやめなさいよ。」 汀「あっちがいつもムカツク事言うからしょーがないんだよぅ。」 絵「例えば?」 汀「チビとか、頭悪いとか、運動バカとか・・・って言わすな!」 絵「ははは!でも好きなんでしょ?」 汀「うー・・・。」 絵「頑張ってね。」 汀「適当にねー。」
教室に入るなり、ボールが飛んできて あたしのデコに当たった。
汀「イタぁぁ!」
佑「ゴメンゴメン!ってお前か。」 汀「お前か。って何だよ!!」 佑「チビで馬鹿な桐生汀さんですかって言ったんだよ。」 汀「あら、ご丁寧にどうも。童顔で短足な春山佑太君。」 佑「相変わらずウゼーな!テメーは!」 汀「オメーに言われたくないっての!」
ギャアギャア
心「ったく。なにやってんだか。」 絵「バカとしか言えないわね。」 心「同感。」
汀・佑「なんか言ったァ?!」
春山裕太はあたしの好きな人で 長嶋心はその親友。 絵里子とはいつもあたし達には分からないような レベルが高い会話をしてる。
ケンカばっかりで、でも楽しい。
そんな毎日があたしは結構好きだったりする。
その歯車が どんどんズレてしまっていることに あたし達はまだ、気づかなかった。
|
|