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私が生まれる少し前 作者:比呂

第2回   初恋
20年前


1987年






「おかーさん!お弁当!」

「はいはい!今日は果物入れといたからね!」

「やった!ありがと!行ってきまーす!」




学校が好き。

友達が好き。



あの人が好き。





「美沙おはよ!」

「かっちゃーん、おはよ!」


やっちゃんことは加賀見絵里(かがみえり)は私の大親友。



「さっきいたよー、噂の久(ひさし)くん。」

「声がデカーい。」


かっちゃんが笑う。






あの人=久




久は私が1番好きな人。








「美沙と久くんって中学一緒だったっけ。」

「うん、一緒だよ。」

「なんか進展みたいなのなかったわけ?今まで。」

「…2年のとき告白してフラれた。」

「マジ?」

「マジ。」

「そっかー。」


一息置いてかっちゃんがまた尋ねた。


「まだ好き?」




私は未練たらたらな奴だから
3年以上経ってもまだ
あの初恋を忘れられない








何度あんたを想って泣いたか

いくつ夜を越えたか



きっとあんたは知らないんだろうな







だけど


半端な気持ちでこんなに長い間あんたを好きだったんじゃないって

それだけは
自分を褒めてあげたいんだ













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Novel Editor by BS CGI Rental
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