夢の中で笑う 少年時代の若き君が 走り去っていくのを 立ち尽くして見ていた
「いやだよ、けんちゃん。」
言った後に後悔した。
あたしはいつも、その繰り返しで 全然進歩がなかったよ
けんちゃんが泣いた。
そして、冗談だと言おうとしたあたしを抱きしめた。
なんで
けんちゃんがあたしを抱きしめてるの
これは夢でしょう?
「里沙、好きだよ。
でも京夏を突き放すことはできない。 だから卑怯だけど 俺は京夏と付き合う。」
ねぇ
たとえ嘘でも嬉しかったよ
その場しのぎのごまかしだったとしても
あたし嬉しかったよ
「けんちゃん、京夏をよろしくね。」
夏の太陽があたしの頬をかすめる。
けんちゃんの手を離れて
2人のいない場所を探した
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