自分の気持ちに気づいてしまったとき
あたしの中で何かが壊れた
「京夏なら絶対大丈夫だよ!」
「うん、ありがとう!頑張ってみるね!」
京夏が笑うとあたしも嬉しかった。
教室に戻って帰り支度をしていると黒澤があたし達を呼んだ。
「鈴村ー、原嶋ー、ちょっときて。」
「うん。」
「どしたのー?」
「さっきお前ら最近デビューした新人バンド好きっつってたよな。 俺の姉貴がそいつらの友達だから話聞きにうち来る?」
「うん!行きたい!」
「黒澤のお姉さんすごいねー!」
「・・・黒澤って堅苦しいからやめない?」
「なんて呼べばいいの?」
「なんでもいいけど。」
「じゃああたし健悟って呼んでいい?!」
「いいよー。じゃあ俺も京夏って呼ぶね。」
「うん!」
「んー・・あたしはけんちゃんでいいや。」
「けんちゃん?」
「うん、あんま人を呼び捨てにしたことなくて。」
「そっか!」
「じゃー今日健悟んち行くね。って知らないや。」
「一緒に帰るか。」
「うん!」
こうしてどんどんと距離を縮めていったあたし達が 離れていればよかったと後悔するのはまだ先のこと
「けんちゃんち広いねー。」
「あーなんか親父が社長なんだよ。」
「社長?!じゃあ跡取り息子じゃん!」
「めんどくせーなあ。」
「いいじゃん!」
けんちゃんが先に部屋に行っててと言ったのであたし達は部屋に上がって床に座った。
「あたしもう健吾のこと大好きになっちゃった!」
「金持ちのおぼっちゃまだもんねー!」
「そんなんじゃないよー!!」
「ははは!でも社長婦人ってかっこいいね。」
「うん。なれたらいいな。健悟のお嫁さんに。ってか絶対なる!」
そう言って笑った京夏を見て あたしはなぜか胸が苦しくなった
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