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彼がいた頃 作者:比呂

第3回   第二話
もしも



君が戻ってきてくれるなら









あたし絶対君を好きになったりしない




















「黒澤君?」

「うん。君は鈴村さんだよね?」

「よろしく。」

「おう。それで?そのちっこいのが・・・・・なんだっけ?」

「知らないんだ。」

「う〜ん、名前と顔が一致しない・・・。
 原田じゃなくてー、中嶋じゃなくてー・・・原嶋だっ!!!」

「正解。」

「原嶋里沙!あーようやく思い出した。」

「失礼極まりないな、この男。」






夏の風があたし達を吹き抜けていた。




少し立ち話をした後、チャイムが鳴って
黒澤はじゃあなと言って教室に戻った。


すると京夏が5時間目はふけようというので
ずっと屋上にいることにした。







「どしたの?」

「あたしやばい・・。」

「何が?」

「黒澤君のこと・・・・。」









ん?







「好きになっちゃった・・・。」

「えぇーー!ほんとに?!なんであんなのがいいの?」

「背高くて顔は格好いいし、話弾むし!」

「まぁー背は高いけどさぁ。顔も悪くないけどさぁ・・。」

「いいのいいの!あたしは頑張るよ!」

「うーん、そんなに言うなら応援するけどさ。」

「ありがと!里沙なら分かってくれと思った!」

「うん、頑張ってね!」

















そのときは 自覚もしてなかったし

ただ 京夏の幸せだけを願っていられた


















悔やんでも悔やみきれない

あの夏











 






 


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