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彼がいた頃 作者:比呂

第15回   エピローグ
ふと気が付くとあたしはベッドの上にいた。




もう11時を回っている。
















外に夏の風が吹く。






ベランダに出て 彼がいた頃のことを思った。














ずっと心に引っかかっていた。



たったの一度も



あたしはあなたに好きだと伝えられなかった。














「ねえけんちゃん、一度も言えないまま
 あなたはいなくなって

 あたしはまだ縛り付けられて動けないよ。」






やわらかな風が吹いた。










彼が






もういいよと








微笑んでくれた気がした
















さよならけんちゃん








もう振り返らない






























「けんちゃん 好きだよ」







































Fin

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Novel Editor by BS CGI Rental
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