ただひたすらと
君がいる世界を探し続けて
今日まで生きてきた
「あとこれをコピーしてまとめるだけっと。」
午後7時
背伸びをして立ち上がる。
冷めたコーヒーを専用容器に捨ててカップを洗う。
「お疲れ様でしたー」 「お疲れー。」
とある印刷会社に勤めている24歳の正社員。 それがあたし原嶋里沙。
不景気な今、幸運にも中企業に就職できた。
世渡り上手ってこの事を言うんだろうな。
ロッカーから荷物を取り出して会社を出る。
ビル街のすきま風が心地よい。
毎日慌ただしく過ぎていく毎日の中で
変わらないものがひとつ。
夢の中の君。
「はー疲れたー。」
大学を出たときから一人暮らしを始め 家賃もそれほど高くない1ルームのベッドに倒れ込む。
めまいがする。
ああ
そうか
今は夏だっけ
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