background=http://www.rivernet.cool.ne.jp/upmini/200505f/20050527220027_7644.gif ■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

5丁目5番地 秘密基地 作者:比呂

第9回  
俺は本当の気持ちとか



欲しいと思うものとか










絶対に言わない性格で








だけど









初めて欲しいと思った。



















たとえ









大切で大切で







仕方のない旧友を









失っても




























翔平が佳代を好き?
ありえないと思っていた。
そんな事絶対にないと思っていた。


だけど 俺の心は落ち着かない。




あの日、帰り道で翔平が佳代を好きだと言った。
俺は一瞬時が止まったように口が開かなかった。


家に帰って少し考えてみた。



このざわつく気持ちを
 


「 恋 」と 呼ぶのだろうか。


俺が 佳代を?

絶対ない!
ありえるわけない!

好きになるはずがないだろう



そう 思いたかった。



思いたかっただけなんだ。








次の日、佳代は普通で翔平もいつもと変わらなかった。
俺だけはしゃいでバカみたいだな。




「佳代、今日重そうだな。」
「ああ、美術で油絵やんだー!家にある木の板持ってきてってさ。」
「持とうか?」
「ありがとー。」

なんだか急に仲良くなっていた。


むしゃくしゃした。







「広、今日話がある。」

佳代に突然告げられて、そのときの表情は何とも口では表現できないような

とても 難しい顔だった。

















失って



気付いて









そうやって僕等は







大人になってゆくんだろう



























 

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections