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5丁目5番地 秘密基地 作者:比呂

第7回   佳代
何かを失う痛みをあたしは味わったことがなく







だけど大切なものを失くしてまで





何かを欲しいなんて





きっと思わないだろう























静がいなくなって4人での生活にも慣れ始めてきた冬の始まりに
あたしは同じクラスの水澤君という人に告白をされた。
話したことは数回ある程度で、別に親しいわけでもなかったけど
その人が本気であたしを想ってくれているのに
何でか分からないけれど、胸が熱くなっていくのを感じた。



「入学したときから気になってて、その、付き合ってくれませんか?」
「えっと、あの・・・。」
「返事はまた今度でいいんだ!」
「あ、うん。」
「いい答えを待ってる。」


水澤君は走って校舎に戻った。





ホームルームが終わって広と翔平のクラスに行った。


「帰ろう。」
「おう。」
「・・・。」
「広どしたの?」
「何かさっきからあんな感じでよ。」
「なにかあったかな?」
「わかんね。てか佳代お前さぁ!同じクラスの水澤に告白されただろ!!」
「ちょっ!何で知ってんのー?!」
「晃情報☆昼休み校庭裏にいたの見たって!あそこ、渡り廊下から丸見えなんだぜ?」
「うっそー!!(汗)」
「・・・・何て答えたの?」
「まだ返事してないけど。」



「やめとけよ。」

「え?」
「水澤なんかやめとけ。どんな奴か分かんないだろ。」
「いい人だよー?」
「違う違う。広はイヤなんだよな♪佳代が誰かと付き合うのが。」
「えー?ないよねぇ!」


「そうだって言ったら佳代はどうすんの?」


広の真剣な目にあたしは釘付けになってしまった。
離れられなくなって、いつしか広が目線をそらしていた。


「冗談やめてよー。」
「・・・ごめん。」
「広、ちょっと来い。」



翔平が広を呼んで何かを話している間、あたしは何が起こったのか分からず混乱していた。

その時気づき始めた、広の想い。






そして   あたしの気持ち。
























ねえ






あなたを失くすくらいなら









もう欲しいなんて思わない










あなたの笑顔が消えるとき



















それはあたしにとって
















絶望と呼ぶの
















 

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Novel Editor by BS CGI Rental
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