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5丁目5番地 秘密基地 作者:比呂

第5回   翔平
俺の幼なじみの広は、何もしなくても格好いい。
目立ったつもりはなくても目立つ。

要するにビジュアルがいい。

なのに好きな女などいなく、つまんない生活を送っている。




と、俺は思う。


















「広。お前今日も告白されたってな。」
帰り道にさりげなく聞いた。
「ああ。あーいうのめんどくさいっていうかやめて欲しいんだよね。」
「は?何で。嬉しいじゃん。」
「いちいち呼び出してさぁ。ここで言えばいいじゃんね。」
「・・・お前、オトメゴコロってゆうのを分からなさすぎだよ、それ。」
「分かんなくてもいいよ。」
「まぁお前には許嫁がいるもんなぁ。」
「は?何言ってんのさ。」
「佳代だよ。」
「またそれか。」
「佳代は違うってば!」
「意識しなくていいよ。」
「もー話になんないよ。」
「はは。てか静来週だな。」
「うん。寂しいな。一人減ると。」
「ああ、晃はどうするのかな。」
「何もできないんじゃないか。晃だってあいつなりにけじめつけるだろ。」
「そうだけど。」
「とにかく、俺達は干渉しないで見守るんだ。変なこと吹き込むなよ、翔平。」
「分かってるよ。じゃあなー。」
「うん。」



広は割り切りいいな。
俺は晃がそんな簡単にけじめつけられるとは思わないけどな。

だってもう10年間以上片思いしてるんだぞ?
ま、広には分かんないだろうけどさ。



夕ご飯を食べた後、俺は佳代の家に行った。


「おす。上がっていい?」
「翔平。どしたの?上がってー。」
「ちょっとな。おじゃま。」



佳代の部屋はO型に見えないくらいにキレイに整っている。
性格はおおざっぱなのに。



「実はちょっと聞きたいことがあって。」
「なに?」
「お前、好きな奴とかいる?」
「へ?好きな人?いないよー!」
「そっか。じゃあ単刀直入に言っていい?」
「うん。」

「お前、広見てて何も思わない?」
「広?」
「そう。」
「何で広?」
「いやーなんとなく。」
「別にー何とも思わないかな。良き友達って感じ!」
「はぁーやっぱそうか。」
「何か企んでるな〜?広だって何も思ってないと思うよー?」
「いや、ごめんな!急に。じゃ俺帰るわ!」
「うん、また明日!」



帰り道(といっても20mぐらいしか離れてない。)俺は考えた。

二人とも気付いていないのではないか。



少なくとも広は自分の気持ちを押さえ込んでるって感じだし
佳代はぼーっとしてっからなぁ。


ガキの頃からあの二人すげぇ仲良かったし
そーいう気持ちあってもおかしくねぇのになぁ。

思えば、佳代が海で溺れたとき、確か小学5年の時だ。
一番焦って海に飛び出したのは広だった。

絶対好きなはずなのに。





上手くいかないなぁ。















俺はね



思うんだ








確かな友情なんて



そんな薄っぺらい物じゃなく








心から安心できる





そんな場所でありたい











俺は




いつも






そう思ってる












 

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Novel Editor by BS CGI Rental
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