俺には父さんがいない。 4年前、トラック事故に巻き込まれて死んだ。 俺と母さんとまだ幼い弟を残して。
だけど寂しくなんかない。 俺には騒がしくて、でも安心できる4人の幼なじみがいるから。
「翔平!お前今日熊さんの授業アリ?」 「なし〜!いいだろw」 「うっわずりー。広!お前体育着持ってない?」 「持ってる。部活あるから。」 「おおー!助かった!!あとで返すからな!」 「うん。今日の熊さん機嫌悪いよ。多分。」 「えっ。何で知ってんの?」 「さっき2年生の女子がすげぇ怒鳴られてたから。」 「うわぁーー名前でバレたら終わりじゃねぇかよー。」 「どんまい」
熊さんやだなぁ。 あいつキレたら容赦ねぇんだもんなぁ。
そんな事を思いながら体育館へ向かう途中に佳代に会った。
「熊さん?」 「そー。もう最悪だよ泣」 「しかも柔道だしね。」 「言うな!」 「ははは!じゃあ頑張っといで。」 「おー。」
同じクラスの静はもう体育館にいた。
俺の 初恋の人。
「あー晃また忘れたなぁ?!」 「寝坊しそうになってさぁ。慌てて出てきたんだよ。。」 「怒られてもしらないぞー」 「うっせいやい!」
16年間から一緒にいるから、緊張なんてしないけど 胸が高鳴らないわけじゃない。
ドキドキはするけど顔にも出ないし態度にも出ない。
だからずっと 俺の片思いだ。
静はかなりのモテ女で、学年の5分の2には告白されたことがあると聞いた。 まぁ、俺もそれなりに言われたことはあるけどよ! ・・・4人・・・だけだけどよ。。
きっとこれからもそうあり続けるだろう。
俺が隠している限り。
ずっと言いたかったことがあるよ。
お前らが好きだ。
恥ずかしくて
絶対言えないけど
お前らが好きだ。
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