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5丁目5番地 秘密基地 作者:比呂

第1回   佳代
16年前、雪の降るこの街に1日違いで5人の赤ちゃんが産まれた。
家は隣、お向かいととにかく密集しており
その親たちは何を企んだのか、今でも意味が分からない。


あたしは1月26日に生まれた。
山口家の次女として干渉されずにぐんぐんと育ち
今年、徒歩圏内の県立高校に入学した。
もうすぐ秋が終わりそうな気配が漂っている。




「いってきまぁす。」
「いってらっしゃい。」


ドアを開けるとびゅうっと風が吹く。
「寒いなぁ。」
もう冬か。
と思った途端に、違うところでも声が聞こえた。
「さみぃーーー!」

お隣の翔平だ。

「おはよ。寒いね。」
「うんやべぇ。」

するとまた別のドアが開く。

ガチャ。
「うぉぉぉー!!」

斜めお向かいの晃だ。
「はよ。」
「寒くなったね。」
「だりぃよ、まじでー泣」
「晃寒いのかなり苦手だったよねー。」
「うん。冬大嫌いだもん。」
「俺も。」
「あたしも。」

と、また別の音がする。

「くしゅんっ。」
「静おはよ。」
「みんないたの。」
「今会ったの。」
「そ。てか寒すぎだよ!あたし冬嫌いなのに〜><」


最後は決まってこいつだ。


ガチャリ。

「・・・。」
「広・・お前寝ぐせひどいよ?」
「気にしてねぇもん。」
「うん、分かるよ。」
「学校行くべ。」
「おう。今日物理あるよー汗」
「俺もある。」
「あたしは生物だーー泣」


慌ただしいけれど楽しい。

あたしの幼なじみ達。


こんな生活がずっと続けばいいな。





あたしの





一生の願い事だよ。









 

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