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隣の家の勝太くん。 作者:比呂

最終回   居場所

ねぇ 最後だから


   













         好きだと言わせて














気が付くと、あたしは寝ていて
下でお母さんやお父さんや五樹(いつき)(弟)の声がする。
生きていることを、あたしはそれとなく確かめてみる。
すり傷のある手を、胸に当てた。


 




きっともう、分かってはいたんだろう。
動かないアタシを。

体温を感じないアタシヲ。

ミライガミエナイアタシヲ。







どうせ届かないのなら

もっと大声で叫べば良かった。



生きていたいと




傍にいたいと





あなたが好きだと



















枯れてはくれないその声を

あたしは静かに息を繋いで

無くなるのを待った。































生きていくあなたを



 


傍で見ていたい






感じていたい



   














ねぇ





さよならをするには












まだ早すぎると思わない?














だから笑ってよ





























隣の家の勝太くん?


                       Fin

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