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刹那遊戯 作者:妖華

第7回   第七章 恰好遊戯
「痛ってーっ!!!何だアイツ!!本当に医者かァ!!?クソー・・・」
 一方、只でさえ痛い点滴を乱暴に外された遊は、ズキズキと痛んできた腕を押さえながら、遊はノソノソと歩いていく。
「チッ、遅ぇーんだよ鈍間ァ!さっさとしろ」
 一々煩い男だった。近くまできて、遊は初めてその男の顔をマジマジと見たが、髪はオールバックで黒髪、眼鏡の奥に見える目は、漆黒の切れ長の、いかにも組長とでもいえるような風貌の男であった。
「・・・怖」
「アァ!?」
 そして遊はつい、本音を出すと地獄耳なのか、直ぐに反応じてきた。その声は、ドスを利かせた声で、医者になる前は組長だったのだろう、という、遊の勝手な勘違いを生ませた。
「痛むか?」
「へ?」
 部屋を出て、長く白い廊下を歩いていて不意にかけられた言葉。
「痛むかって聞いてんだよ。耳ツンポか?」
「・・・っ。痛まねぇーよ!」
「そうか、そりゃぁ良かったな」
「・・・・・・」
 今までのあの男なのか、という思いが遊の頭を駆け巡る。まだまだ低い声で怖い声だが、今までの男の声と比べると全然優しい声だった。
「良いトコあるじゃん」
「アァ!!?」
「・・・・・・」
 いつもの男だった。
 暫く歩いていると目の前にまたエレベーターが見えた。階数を見ると、なんと地下13階まであった。
「はえー・・・こんなに地下あるんだ」
「まぁな」
 別にこの男が創ったというわけでもなかろうに。男は中々自慢げに話す。そしてエレベーターに乗り込むと、地下12階のボタンを押す。
「そんなに地下に行くのかー」
「黙ってろ」
「・・・・・・・・っ!!」
 そういわれて、遊は思いっきり男をにらみつけた。男が振り返ると、遊は思いっきり顔を逸らす。
 そうして大分な時間が沈黙で終わった。チン、と音がして、男と遊はエレベーターを降りる。
「うへー・・・っ、スゲェ・・・つかデケェ!!!」
遊の目の前に立ちはだかるもの。ソレは、巨大な一枚の壁だった。
「まぁ視てろって。これからが、本当の『スゲェ』だ」
 男が不敵な笑みを浮かべると、拳を大きく掲げた。
 そして―。

第八章へ―。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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