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The last light〜最後の灯〜 作者:妖華

第2回   第二章 謎の灯
病院の薬臭い匂いが、ツンと鼻にくる。
女性は未だ黙っていた。あの時と同じようにぼーっとしていた。
ベッドの傍らの椅子に座り、膝に手をついて、目の前に横たわる男性を見ていた。
「・・・・・・・」
もう、どの位時が過ぎたのだろう。一定な時計の針の音が妙に煩い。
その時、男性の指が少し動いた。そして、眼を少しずつ開かせていった。
「・・・・・・ぁ」
女性はじっと男性を見ていた。眼が合った。何気に男性は照れた。あまりにも、綺麗な女性だったから。
「・・・・あの・・・・」
未だ女性は黙っている。しかしその眼は、どこか嬉しそうで悲しそうだった。
無表情な顔つき。冷めている。微笑んでいる。矛盾な表情。言ってしまえば、そこが綺麗なのかもしれない。
「気がつきましたか」
病室の扉を開ける音がした。病室に入ってきたのは、白衣を纏い、眼鏡をかけたいかにも医師、と言う雰囲気の男性だった。右手にはカルテらしきものを持っている。
「先生・・・俺・・・」
「アナタは後で警察に表彰されるらしいですよ。そちらの女性を護ったので」
医師は微笑を浮かべながら、軽く拍手をした後、未だ無表情で座っている女性を指差した。男性は女性を見た。見とれてしまう程、綺麗なヒトだった。
何故、こんなヒトが、ボーっとしていたのだろう。
あれは、自殺にしか見えない。
男性の脳裏には、数々の女性に対しての疑問があった。
「アナタ、軽傷で済んで良かったですね」
そんな言葉からまた一つ、男性の脳裏に疑問が浮かんだ。
「俺・・・なんで軽傷なんだ」
女性は、未だ黙っている・・・。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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