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私の部屋にいるのは… 作者:saika

最終回   夜に響く物音
がたがたっ 

「ん?」

物音が響いてきました。

一階のリビングでテレビを見ていた私は、思わず上を見上げました。

でも耳を澄ませても、今度は聞こえませんでした。

テレビの音かもしれない。

そう思いながらも、物音は断続的に聞こえてきました。

しばらくして、静かになりました。

やがて眠気におそわれ、私は寝ることにしました。

ところが…。

廊下に出ると、物が転がっていました。

階段の電気を付けると、階段にも物が転がっています。

その落ちていた物は、私の部屋にあった物。

私はそれらを拾い上げながら、階段を上りました。

しかし自分の部屋の前に来て、ふと違和感を覚えました。

…部屋の扉が、わずかに開いているのです。

扉は毎回、キチンと閉めます。

なのに今は、開いているのです。

思わず顔が歪みます。

開いている隙間から、手を差し入れ、壁にある電気のスイッチを手探りで探しました。

そしてスイッチを押して、部屋の中に入った私が見たものはっ…!










―私のベッドで、寝ていたネコでした。












…ドアノブを使って、部屋の扉を開けることを覚えたウチのネコが、私の部屋に扉を開けて侵入。

そして部屋の物をくわえて、廊下や階段で遊んだんです。

……だからドタバタうるさかったのか。

そして飽きて物をその場に置いて、疲れたので、ベッドの上で寝た。

私の、ベッドの、上でっ!

電気をつけられ、目をしょぼしょぼさせながらも、ネコは私を見て、怒られると思ったのか、逃げようとしました。

けれど私はすぐに捕まえて、部屋の外に出しました。

ポイッ! と。



………ネコが寝ていたベッドは、ぬくもりが残っていて、とてもあたたかかったです。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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