■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

類友 作者:saika

最終回   類は友を呼んだ
『類は友を呼ぶ』、その言葉の意味を、しみじみ理解した時のお話です。

私が高校生の時のお話です。

同じクラスの中に、仲良しグループの人達がいました。

全員女の子で、何でも気軽に話ができました。

彼女達とは帰り、一緒に帰ることが多かったです。

グループの中の1人の女の子がある日の帰り道、うんざりしたような表情をしていました。

なので、

「どうしたの?」

と私が尋ねると、

「アタシの部屋の外に、ずっと立っている男の人がいるんだ」

と言いました。

何でも彼女の部屋は一階にありまして、窓の外の塀の向こうに駐車場があるらしいのです。

男性はその駐車場にいると聞きました。

こちらを見られないように、窓とカーテンを閉めっぱなしにしているのが悩みだと、彼女は言いました。

「なら、警察に連絡すれば?」

と私が言うと、

「ムリ。意味ないもん」

と彼女は答えました。

「何で? 危ないでしょ?」

「だってその人、2日前にその駐車場で事故死した人だから」



…ああ、ナルホド。

それなら警察に相談できないのも、納得ですね。

彼女は塩を窓際に置き、こちらに入れなくしたそうです。

数日後には消えていたそうですが…。

そういうことをアッサリ言う彼女も彼女ですが、アッサリ受け入れてしまう私も私ですね。

『類は友を呼ぶ』―いろんな意味で、深い言葉だと思った日でした。

■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections