「双ー。お待たせー。行こう。」 ボクは静香姉ぇの言葉を思い出して壱の細い手首を引っ張った。 「きゃっ!なに?」 彼女の少し紅い頬を両手でボクは包んだ。 「どうしたの?」 「うん。迷惑ならさ・・・いいんだけど、ボク・・
壱のこと好きなんだ。あの日から。コレで会うのは2回目で ほとんどスキンシップは取ってないけどー・・・好きなんだ。
好きだ、壱。」 ボクがそう言うと、壱の大きな瞳に涙が溜まった。 「本当?私も・・・ずっと双のこと好きだったー・・・ 今日、来てくれただけでも幸せ。」
彼女の大きな瞳から大粒の涙がこぼれ、地面に落ちた。
「好きだー・・・壱・・・」
ボクは壱の唇にそっとボクの唇を重ねた。 初めてのキスの味は「苺の味」とか「桃の味」だって誰かが言ってたなー・・・ でも、ボク達の始めてのキスは薬用リップクリームの味がした。 スースーしてなんだかこそばゆい。 のに、愛しくて愛しくてたまらないボクの初恋とキスは花火のように 可憐に咲いた。
それから・・・・
「あーぁ。もう高三かぁ・・・付き合いだして何年目でしょぉ。はい、 双君」
「2年目でしょ。じゃ、この問題といてよ。」
「まーぁ!つれないなぁ。双はいいよねっ。東大合格判定Aなんだから。」
「あのね。コレはボクの努力の賜物なの。」
「私だって東大入りたいかもだしーー!」
「言ってること支離滅裂って言うか・・・矛盾してるって言うかー・・・」
「もー!!別れてやるーーーっ」
「げっ!」
END
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