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カンカク 作者:

最終回   薬用リップクリームのキス・3
「双ー。お待たせー。行こう。」
ボクは静香姉ぇの言葉を思い出して壱の細い手首を引っ張った。
「きゃっ!なに?」
 彼女の少し紅い頬を両手でボクは包んだ。
「どうしたの?」
「うん。迷惑ならさ・・・いいんだけど、ボク・・

 壱のこと好きなんだ。あの日から。コレで会うのは2回目で
ほとんどスキンシップは取ってないけどー・・・好きなんだ。

   好きだ、壱。」
 ボクがそう言うと、壱の大きな瞳に涙が溜まった。
「本当?私も・・・ずっと双のこと好きだったー・・・
 
 今日、来てくれただけでも幸せ。」

 彼女の大きな瞳から大粒の涙がこぼれ、地面に落ちた。

「好きだー・・・壱・・・」

 ボクは壱の唇にそっとボクの唇を重ねた。
初めてのキスの味は「苺の味」とか「桃の味」だって誰かが言ってたなー・・・
 でも、ボク達の始めてのキスは薬用リップクリームの味がした。
 スースーしてなんだかこそばゆい。
のに、愛しくて愛しくてたまらないボクの初恋とキスは花火のように
可憐に咲いた。

 それから・・・・

「あーぁ。もう高三かぁ・・・付き合いだして何年目でしょぉ。はい、
双君」

「2年目でしょ。じゃ、この問題といてよ。」

「まーぁ!つれないなぁ。双はいいよねっ。東大合格判定Aなんだから。」

「あのね。コレはボクの努力の賜物なの。」

「私だって東大入りたいかもだしーー!」

「言ってること支離滅裂って言うか・・・矛盾してるって言うかー・・・」

「もー!!別れてやるーーーっ」

「げっ!」

END

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