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カンカク 作者:

第4回   薬用リップクリームのキス
「いやー。晴れてるねー。」
「あぁ・・・確かにね。」
 しかしボクの心は雨雲だった。理由は、2週間前から勉強をしていたが、
壱のことを考えてしまって大変だったからだ。
「さ。さ。俺は未明のトコ行くから君は壱ちゃんの所へ羽ばたけ!」
 高橋はそう言うと未明のクラスへと向った。
 一週間前、壱からメールがあった。

 ...*双へ*...
 壱です。
 学祭来てくれるの?
 ありがとう^^
 えっと、私のクラスは
 1−Sクラスで、出し物は
 甘味喫茶とオーケストラです。
 未ッちゃんのクラスの横だから
 分かると思うよ。
 では^^
・・・+壱+・・・

 西華の学祭は3日間にわたっての大きな行事らしく、男子も多いらしい。
にしても壱のクラスは甘味喫茶と・・・オーケストラ?
なんだか意味不明だが楽しみに待っとこう。
 ま。とりあえず1−Sに向おう。
 浴衣で動いている女もいれば、怪獣のコスプレしている女もいる。
さて・・・1−Sは此処か。
 何処から借りてきたのか「甘味喫茶 いち」と書いてある看板が出ていた。
「あ!双!」
全体的に茶色い服を着た壱がボクの側に走ってきた。
「久しぶり。凄いね。看板とか。」
ボクがそう言うと彼女は誇らしげに言った。
「ウチがね、甘味喫茶してるから借りてきたの。この服もそれよ。」

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Novel Editor by BS CGI Rental
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