「え。何?どした??」 高橋は目を大きく見開いた。びっくりしてるらしい。 まぁ、びっくりもするだろう。 今まで女の話をしたことなんて一度たりともないのだから。 「あー・・・西華に、知り合いが出来て・・さ。学祭来てって。」 俺の話を高橋は2割しか信じてないようで、携帯を取り出し、メアドを 見せるとさらにビックリした。 「え!?壱ちゃんじゃーん!あのこ可愛いよなぁ。どうした?」 「お前彼女いるだろ。まぁ、今朝電車で横に来て、話した。」 その事を話すと、高橋は口をあんぐり開けてボクを見てきた。 「で、高橋の彼女の名前教えて。」 「あ。そうだった。沢倉未明(さわくら みめい)だよ。」 ふーん。それで未ッちゃんね。 「な。高橋、一緒に行かないか?」 ボクがそう言うと、高橋は現実を口にした。 「いいけどさ、テスト2週間前だぞ?俺は行くけど・・・三河、 大丈夫か?」 大丈夫じゃありません。2週間前って!進学校なのに・・・ 無理だよ。でも・・・会いたいんだ。壱に。 「行く。」 ボクはそう言うと、図書館の自主室へと向った。 行くからには今から勉強せねば。学祭に行く時間があったら、 13時間は勉強できる。だから、今のうちにー・・・。 ボクは思った。今まで好きな女なんて作ったことないし、女なんてくだらないと 思う。勉強以外は面倒だし、くだらない。なのに・・・なんで こんなに壱に会いたいんだろう。 心臓が動悸を打つ音が耳障り。なんでこんなにも壱に会いたいんだろう。 ボクはそう思いながら自主室の机に参考書とノートを広げて 勉強をし始めた。 そう。この調子で勉強していれば、楽だ。
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「えーっ?いっちゃん、どうしたのよぅ。」 「え?顔赤い??」 「うん。私こんないっちゃん始めてみたよー」 なんで?なんか、未っちゃんが不思議そうな顔で私を覗き込む。 双のことを考えると、なかなか授業に集中できなくて、せっかくの放課後 も台無し。 「それで、一生君の学校の人と仲良くなったんだって?」 「あぁ。うん。三河双って人。」 私がそう言うと未ッちゃんがビックリした。 「え!三河君?あの人勉強しぃだよ??がり勉だよ?今までのいっちゃんの 彼氏とは全然違うよー!」 未ッちゃんは慌てて私に説明してくれた。 「でも、笑ってたし、正直者だったよ?名前が容姿とは全然違うねって。」 私が口を開くたび、彼女はビックリしてシェイクを噴出しそうになっていた。 「三河君かぁ。一回ね、私あった時、『おつむ大丈夫?』って言われた。」 そんな人には見えないのにな。 私の携帯がなったので未ッちゃんに「ごめん」と言って携帯を開くと、 双からのメールだった。
*壱へ* 学祭行けそう。 また会おう。 +双+
用件はたった2行。なのにこんなに心があったまるー。 「ね、いっちゃん。三河君のこと好き?」 未ッちゃんが聞いてきた。 「うん。好きみたい。」 未ッちゃんは私に微笑んでくれた。あまりにも可愛くて、シェイクをおごって あげてしまった。 明日、電車に乗ろう。
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