「壱?」 まるで男みたいな名前だ。容姿に似合わない。 「男みたいでしょ。でも、私この名前好き。」 壱は少し怒っていった。ヤバイ。どうやって対応したらいいんだ? 「ごめん。ちょっと男っぽいって思った。容姿と少し違うなって。」 確か、最近のろけの高橋が「女の子には、正直言ったほうがいいぞ!」と 言っていたような・・・。高橋の彼女は少しおつむが弱そうな子だった。 「正直ね。えっと・・」 「双でいいよ」 ボクがそういうと彼女は少し微笑んでくれて、ホッとした。 「正直な人って信じれるよね。今、気付いたんだけど、私たちって 1と2ね。」 壱と双・・・確かに。 「ね。良かったら、メアド教えてくれる?」 彼女は西華の規定バッグから携帯を取り出した。 「いいよ。赤外線でいい?」 「うん。」 ボクも、携帯を取り出して赤外線を受ける準備をした。 「今度ね、文化祭があるの。未ッちゃん彼氏さんがね双と同じ学校だから 着てくれる?」 おいおい。そんな、率直過ぎるでしょ。まぁいいけど。 「いいよ。」 「ホント?待ってるね。」 メアドを交換し終わったら彼女は電車を下りて手を振ってくれたから ボクも振った。 ボクも次下りなきゃ。単語覚えてないけど。 壱・・・ね。何となく脳裏に彼女の微笑んだ顔が残っていたのを頭をブンブン 振って消した。 そのうち、電車を下りる時間になった。 ボクは慌てて電車を下りて、学校に向った。 イヤなことに壱の顔と声が学校にいる間ずっと残って、授業に集中 出来なかった。 「なぁ、高橋さぁ・・・お前の彼女の名前ってなんだっけ。 西華だろ?」 「なんだ?双。」 「まぁ、いいから」 高橋は少し(いや、もっとかもしれん)とまどった
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