青森県のある中学校に、美里という女の子がいた。 彼女は、自分の意見をあまり言わず、流れに流される性格だった。 勉強は、まぁまぁで、運動も、出来なくはなかった。 ときどき、ボーッとすることが多く、友達からも笑われることが多くあった。 そんな美里が人生の楽と苦を十分知ることになる。
美里の決心は、中学生の頃だった。 冬になり、寒さが増してきた頃、美里の学校では『職場体験』というものが行われた。 みんなそれぞれいろんなところに希望し、そこで体験をすることになった。 美里は、友達と同じところに行こうと誘われ、ある美容室に行くことにした。
当日。 何の期待もなく、ただごく普通に家を出る美里。 『行ってきま〜す。』 気の抜けた声で家を出る美里を毎日不安そうに見守る母・・・。 美里は、家から10分ほどの店の前で友達と待ち合わせをした。 『遅くなって、ごめん!』 美里が来てから、5分くらいたったころ、友達が来た。 美里は、明るい声で、 『じゃあ、行こう。』 と友達に言い、二人は美容室へと歩き出した。 美容室は、歩いて約20分くらいのところにあった。 小さくて、本当に美容室か!?と思ってしまうようなところであった。 そこで美里の運命が変わることになる。
|
|