■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

手紙〜letter〜 作者:夏麻

第3回   2.桜近江 雪薇様

  
          桜近江雪薇様
                小日向頼音
   

 
 弱すぎた俺から送る 最初の手紙です。

 惑わせてごめん。 迷わせてごめん。
 探せなくてごめん。 愛しすぎてごめん。
 君を守ること出来なくてごめん。
 それでも君を忘れられなくてごめん。

 冷たく接して、出来るだけ君が傷つかないように離れたつもりだったけど
 結局君を傷つけた…なら
 何一つ云えなくて別れるなんてバカな真似、しなきゃよかったと本当に後悔したよ。

 何て謝ればいいか分らないから ごめん。
 けど、やっぱり君が好きなんだ。
 嘘云ってごめん。 嘘云ってごめん。

 忘れないで、俺が愛したこと。 忘れないで、君を愛した男がいること。
 忘れないで、俺の声が君に届いてたということ。

 唯の我儘に聞こえるかも知れないけど、君に会いたいんだ。
 君ももし、もう一度俺に会いたかったら …会いに来てくれる?
 その気持ちの大きさ、知りたいから、一つのヒントで俺の所まで来るか試してもいい?
 俺は手紙を俺の大好きな奴に預けた。勿論君も知ってる人。
 俺は君に永遠に会えないとしても、俺は君が好きだから。

   俺の生涯の愛を君に。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections