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灰色同盟 作者:綾音

第8回   第七章 声のした方へ
「ええっ!!!リチェちゃん達、行っちゃうの!?」
「行かないでよ二人とも!二人が行っちゃったら、誰がマグを倒すんだい!?」
リチェとユリアが旅に出ると聞いて村人達はパニックを起こした。
「んん〜心配無いわっ!あたし達が一刻も早く機関に行って、マグを生み出す根元を倒すから!!!」
「でも、その間に現れたら!?」
「・・・・・・・・・・・・・家にこもっていればいいだろう。マグは目を持たない。人の怯える声で、人のいる位置を判断するのだ。家にこもって音を立てずおびえなければいいだろう」
「・・・・・・・・・・・・そうね・・・・・・・・・・・・・」
エルとクレアは、ユリアの“マグは目を持たない”という言葉で初めて、マグは盲目なのだと言う事を知った。



――旅道。
「・・・ねぇ、リチェさん。ユリアさんはあんなにそっけないんですか?いつも」
クレアは、ユリアに聞こえないよう小声でリチェに言った。
「フフフ・・・昔はあんなんでもなかったわ。もっと可愛げがっていつも笑ってた。・・・・まぁ、マグがあの子の笑顔を奪ったのよ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・え?」
クレアはもっと深く聞きたかったが、誰にだって聞かれたくない事はある。
リチェにしたってこのことは聞かれたくないだろう。なので聞かない事にした。
その時ふと思い出した。
―――エルの両親はマグに殺された―――
(・・・・聞きたいけど・・・・・エル、この事に触れたらすごく悲しそうな顔してたな・・・・・・・・やっぱりやめよう)


《キャアアアアアア―――――――!!!!!!》

「「「「!!!!!!」」」」
遠くから人々の悲鳴。
「マグだ!」
「あそこなら、まだあの村には到着していまい」
「エル君っ、ユリア、行きましょう!」
「ハイ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・よし」


そして、リチェとユリアは二手に分かれた。
ユリアが素早いのはわかるが、リチェが意外と頼りになり機敏だと言う事は初めて知った。
あの大きな胸が邪魔で戦えないんじゃないのかな?とクレアは思った。
「あっ、クレアさん、行きましょう!」
【ギュッ・・・】
「・・・え・・・・」
エルに手をつかまれ、クレアは不思議な気分になった。
「?クレアさん?」
「・・・・あっ!ううん、なんでも!行きましょう!!!!」


エルとクレアは、声のした方へ走っていった。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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