「ええっ!!!リチェちゃん達、行っちゃうの!?」 「行かないでよ二人とも!二人が行っちゃったら、誰がマグを倒すんだい!?」 リチェとユリアが旅に出ると聞いて村人達はパニックを起こした。 「んん〜心配無いわっ!あたし達が一刻も早く機関に行って、マグを生み出す根元を倒すから!!!」 「でも、その間に現れたら!?」 「・・・・・・・・・・・・・家にこもっていればいいだろう。マグは目を持たない。人の怯える声で、人のいる位置を判断するのだ。家にこもって音を立てずおびえなければいいだろう」 「・・・・・・・・・・・・そうね・・・・・・・・・・・・・」 エルとクレアは、ユリアの“マグは目を持たない”という言葉で初めて、マグは盲目なのだと言う事を知った。
――旅道。 「・・・ねぇ、リチェさん。ユリアさんはあんなにそっけないんですか?いつも」 クレアは、ユリアに聞こえないよう小声でリチェに言った。 「フフフ・・・昔はあんなんでもなかったわ。もっと可愛げがっていつも笑ってた。・・・・まぁ、マグがあの子の笑顔を奪ったのよ・・・」 「・・・・・・・・・・・・・え?」 クレアはもっと深く聞きたかったが、誰にだって聞かれたくない事はある。 リチェにしたってこのことは聞かれたくないだろう。なので聞かない事にした。 その時ふと思い出した。 ―――エルの両親はマグに殺された――― (・・・・聞きたいけど・・・・・エル、この事に触れたらすごく悲しそうな顔してたな・・・・・・・・やっぱりやめよう)
《キャアアアアアア―――――――!!!!!!》
「「「「!!!!!!」」」」 遠くから人々の悲鳴。 「マグだ!」 「あそこなら、まだあの村には到着していまい」 「エル君っ、ユリア、行きましょう!」 「ハイ!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・よし」
そして、リチェとユリアは二手に分かれた。 ユリアが素早いのはわかるが、リチェが意外と頼りになり機敏だと言う事は初めて知った。 あの大きな胸が邪魔で戦えないんじゃないのかな?とクレアは思った。 「あっ、クレアさん、行きましょう!」 【ギュッ・・・】 「・・・え・・・・」 エルに手をつかまれ、クレアは不思議な気分になった。 「?クレアさん?」 「・・・・あっ!ううん、なんでも!行きましょう!!!!」
エルとクレアは、声のした方へ走っていった。
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