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灰色同盟 作者:綾音

第6回   第五章 同じ選ばれし者
《お父様!!お父様ぁ!!!》
《クレア〜〜〜〜〜〜〜〜!!!》
《やめてよっ、ねえ、あなたたち!!お父様を返して!!!》
《・・・・・・・・・・・・・五月蝿い娘だな・・・・・フン、お前を利用してやる》
《・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・》


*********************************

「・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・」
クレアが目を覚ますと―――心配そうなエルの顔。
「ヒャッ!?・・・・ああ、何だ・・・エルか・・・・・・・・」
「なんだじゃありませんよ!クレアさん、一人で森の中に何を・・・・?それに、また発作が出ちゃったじゃないですか!!!」
「・・・・・・・・・・出したくて出してるわけじゃないわ。・・・・・・・ハァ・・・・・わからない。どうしてあんな発作が出てしまうの・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・どうしてでしょう?・・・・クラーネット機関は、どうしてクレアさんにあんな“土産”を・・・・・・・?」
「わかんないわ・・・・・・・・、あっ、そうだ」
「え?」
「エル、これあげる」
クレアが差し出したのは、赤い木の実――ターナトスだった。
「これって・・・・?」
「ターナトス。別名元気の実。もってなよ!食べるとおいしいし!」
「あ、ありがとうございます!!!」


少したって、再び歩き始めた。
「・・・・・あっ!!クレアさん、街です!!」
「あら、ホント・・・・珍しいわね」
少し古びた街。
「・・・・殺風景ね・・・・・・」
「そうですね・・・・人はいないのでしょうか?」


そのとき。



【キシャアアアア!!!】

《イヤアアア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!》
《ウアッ、ウアアアアア!!!!!》

「「!!!」」
エルとクレアは、老若男女の叫び声にハッとする。

マグが現れたのだ。
「エルっ、マグ!!」
「ハイ!!!!」





【ドギュンッ、ドギュンッ、ドギュン!!!!!】

エルのガンによりマグは減った。


そのとき。
【キシャアアアアア!!!!!!】


「!!!!」
後ろから不意打ちをくらいそうになる。



「エル〜〜〜〜!!!」




そのとき。


「・・・・・・・・・・・・・・・・伏せなさい!」



若い女の声。

「・・・・え・・・・?」

意味はわからずも、エルとクレアは伏せた。






【・・・・・・・・・・・ズギュウウウウン!!!!!】


「・・・・・・・・・フゥ・・・・・・・・・危なかったわね」
そう言ったのは、クレアと同い年くらいで、紺色の長い髪を一つに束ねている美少女だった。
その少女は一言で言えば、クレアよりもクールで冷めていた。
「・・・あ・・・ありがとうございます」
「アレくらい簡単に倒せるようになりな」
「ハ、ハイ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私は、“ユリア=マリオネッド”。・・・・ウチに来なさい。きっと姉さんが歓迎してくれるわ」
「えっ?」
「そんなっ、悪いですよ!」
エルとクレアが遠慮すると、ユリアは機械的に言った。
「なら、いい。無理強いする事もないだろうからな」


そのとき。
「ちょっとぉ、ユリア〜〜〜!そ〜んな言い方はないんじゃな〜いっ?」
能天気な声。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・姉さん」

“姉さん”と呼ばれた女性は、20歳くらいで、金色の長い髪をパーマしたような髪型に、屈託のないキレイな笑顔。
何よりその女性は、通常の女性の倍くらい胸が大きかった。大きな胸をユサユサと揺らしながら、その女性は歩いてきた。
「ウフフン、ごめんなさいね〜〜〜!ユリアったら無愛想で!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フン」
「んもう、ユリアったら〜〜〜!あ・・・私は“リチェ=マリオネッド”!よろしくねん♪」
「ハ、ハイ・・・・・・」
「あらぁ、あなた方・・・名前は?」
「僕は、エル=オリヴァーです」
「私はクレア=フローレンス」
「そう〜〜!」
「・・・・・・・ミスター・オリヴァー、ミス・フローレンス。これからどうするつもりだ?」
ユリアに事務的に聞かれクレアが答えた。
「まだ決めてませんけど・・・・・・・・けど、私とエルの共通点は、“クラーネット機関”にいくことです」
「「・・・・・・・・!!」」
リチェとユリアが驚く。
「・・・・あらぁ、そう・・・・・・、・・・・ねぇ、ウチにこない?」
「え?」
「歓迎したいの。同じ選ばれし者じゃないの。それに・・・・あなたたちの話を聞いてみたい」
「あ・・・・・・・はい・・・・・・・・」


こうして、エルとクレアはリチェたちの家へお邪魔する事になった。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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