《お父様!!お父様ぁ!!!》 《クレア〜〜〜〜〜〜〜〜!!!》 《やめてよっ、ねえ、あなたたち!!お父様を返して!!!》 《・・・・・・・・・・・・・五月蝿い娘だな・・・・・フン、お前を利用してやる》 《・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・》
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・・・・」 クレアが目を覚ますと―――心配そうなエルの顔。 「ヒャッ!?・・・・ああ、何だ・・・エルか・・・・・・・・」 「なんだじゃありませんよ!クレアさん、一人で森の中に何を・・・・?それに、また発作が出ちゃったじゃないですか!!!」 「・・・・・・・・・・出したくて出してるわけじゃないわ。・・・・・・・ハァ・・・・・わからない。どうしてあんな発作が出てしまうの・・・・・?」 「・・・・・・・・・・・どうしてでしょう?・・・・クラーネット機関は、どうしてクレアさんにあんな“土産”を・・・・・・・?」 「わかんないわ・・・・・・・・、あっ、そうだ」 「え?」 「エル、これあげる」 クレアが差し出したのは、赤い木の実――ターナトスだった。 「これって・・・・?」 「ターナトス。別名元気の実。もってなよ!食べるとおいしいし!」 「あ、ありがとうございます!!!」
少したって、再び歩き始めた。 「・・・・・あっ!!クレアさん、街です!!」 「あら、ホント・・・・珍しいわね」 少し古びた街。 「・・・・殺風景ね・・・・・・」 「そうですね・・・・人はいないのでしょうか?」
そのとき。
【キシャアアアア!!!】
《イヤアアア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!》 《ウアッ、ウアアアアア!!!!!》
「「!!!」」 エルとクレアは、老若男女の叫び声にハッとする。
マグが現れたのだ。 「エルっ、マグ!!」 「ハイ!!!!」
【ドギュンッ、ドギュンッ、ドギュン!!!!!】
エルのガンによりマグは減った。
そのとき。 【キシャアアアアア!!!!!!】
「!!!!」 後ろから不意打ちをくらいそうになる。
「エル〜〜〜〜!!!」
そのとき。
「・・・・・・・・・・・・・・・・伏せなさい!」
若い女の声。
「・・・・え・・・・?」
意味はわからずも、エルとクレアは伏せた。
【・・・・・・・・・・・ズギュウウウウン!!!!!】
「・・・・・・・・・フゥ・・・・・・・・・危なかったわね」 そう言ったのは、クレアと同い年くらいで、紺色の長い髪を一つに束ねている美少女だった。 その少女は一言で言えば、クレアよりもクールで冷めていた。 「・・・あ・・・ありがとうございます」 「アレくらい簡単に倒せるようになりな」 「ハ、ハイ・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私は、“ユリア=マリオネッド”。・・・・ウチに来なさい。きっと姉さんが歓迎してくれるわ」 「えっ?」 「そんなっ、悪いですよ!」 エルとクレアが遠慮すると、ユリアは機械的に言った。 「なら、いい。無理強いする事もないだろうからな」
そのとき。 「ちょっとぉ、ユリア〜〜〜!そ〜んな言い方はないんじゃな〜いっ?」 能天気な声。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・姉さん」
“姉さん”と呼ばれた女性は、20歳くらいで、金色の長い髪をパーマしたような髪型に、屈託のないキレイな笑顔。 何よりその女性は、通常の女性の倍くらい胸が大きかった。大きな胸をユサユサと揺らしながら、その女性は歩いてきた。 「ウフフン、ごめんなさいね〜〜〜!ユリアったら無愛想で!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フン」 「んもう、ユリアったら〜〜〜!あ・・・私は“リチェ=マリオネッド”!よろしくねん♪」 「ハ、ハイ・・・・・・」 「あらぁ、あなた方・・・名前は?」 「僕は、エル=オリヴァーです」 「私はクレア=フローレンス」 「そう〜〜!」 「・・・・・・・ミスター・オリヴァー、ミス・フローレンス。これからどうするつもりだ?」 ユリアに事務的に聞かれクレアが答えた。 「まだ決めてませんけど・・・・・・・・けど、私とエルの共通点は、“クラーネット機関”にいくことです」 「「・・・・・・・・!!」」 リチェとユリアが驚く。 「・・・・あらぁ、そう・・・・・・、・・・・ねぇ、ウチにこない?」 「え?」 「歓迎したいの。同じ選ばれし者じゃないの。それに・・・・あなたたちの話を聞いてみたい」 「あ・・・・・・・はい・・・・・・・・」
こうして、エルとクレアはリチェたちの家へお邪魔する事になった。
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