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灰色同盟 作者:綾音

第3回   第二章 クレアの目的
そして、森の中を歩いているときエルとクレアは色々な事を話した。
「エル君って何歳?」
「僕は15です」
「あら、そう。私は16なの。・・・じゃあ、“エル”って呼ぶわね。元から、人を君付けで呼ぶのに慣れてないの」
「ええ、いいですよ。じゃあ、僕はクレアさんって呼びます。年上ですし♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・クレアさんは・・・・・なぜ、マグの機関へ向かうのですか?」
「私?私はね・・・・・・・・・・・・・・・・・あなたに話すことじゃないと思うけど」
「ガガ―――ン・・・・・・」
「フフフッ、冗談よっ♪」
「なーんだ、冗談ですかー、クレアさんは冗談が本当に聞こえますよー」
「フフフフフッ・・・・♪私ね・・・・・・・・・・・・・」
それまで笑っていたクレアの表情が急に険しくなった。
ギリシャ彫刻のように端正な顔立ち。その顔が真剣な表情に・・・・・・・


「・・・・あのね・・・・・・・・あの機関には、お父様がとらわれているの」
「クレアさんのお父さん?」
「そう・・・・・・・・・」

***********************************

それは2年前。
クレアが14歳のときの事だった。
【ガタ――――ン!!!】
「やめろっ、何をする!!!」
「ロイラー=フローレンス博士。あなたには、我が“クラーネット機関”へ来てもらう」
「何っ!?クラーネット機関だと・・・・!?聞いたことの無い・・・・・・ま、まさか・・・・・!」
「ニヤッ。その通りだとも。我がクラーネット機関は、心の無い抜け殻――マグや、その他にも半身をもがれた“マイオネット”などを作り出す機関だ。フッフッフ・・・あなたのその天才的な頭脳が必要なのだ」
「放せ!!!誰が行くものか、そのような機関など!!」
「フッ・・・・そうだろうと思いましたよ・・・・・・・」
【パチッ】
男が指を鳴らした。
するとたちまち、ニョロニョロとマグが出てきた。
「グワッ!!!」
「お、お父様!?」
「クッ・・・・・クレア・・・・・・・・」
「お父様!!!」
「フン、娘か・・・・・ニヤッ」




「・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・・・」




男が片手をクレアの目の前にかざし・・・・・・クレアはまばゆい光に包まれた。
そして、クレアの意識は途切れる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








「・・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・はっ!!!お父様!?お父様ぁ!!!!」
クレアが目を覚ますと、家には愛する父はいなかった・・・・・・・・・

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「・・・・ってわけよ。2年前、私はクラーネット機関にお父様をさらわれたの。だから、助けに行くのよ!!2年間も帰ってこれないって事は、何かあるんだわ!!!だから・・・・・・・・・ッッッ!!!!」
「クレアさんっ!?」
「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・・大丈夫よ・・・・・・フン、クラーネット機関め、私にも何か土産を置いてったようよ・・・この、時々起こる発作をね・・・・・フッ・・・・」
「なぜ、クレアさんにそのようなことを?それに・・・・・クレアさんのお父さんを・・・・・なぜ?」
「わからないけど・・・・・・・・きっと、父が天才的な学者だからよね・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ねぇ、エル?エルは・・・・・どうして向かうの?長い事、ガンを持っている選ばれし者を見ていたけど、進んで機関へ行く者なんて初めてよ」
クレアのこの問いに、それまで屈託の無かったエルの表情が険しくなった。


「・・・・・・・・・・・・・・・僕は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マグに、両親を殺されました」

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Novel Editor by BS CGI Rental
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