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灰色同盟 作者:綾音

第2回   第一章 出会い
「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・・・・・!!!ハァッ、ハァッ・・・・!・・・・・・・・・・・・・ッッ・・・・・・!!!」
白いフードに身を隠しながら少女は走る。
深い、深い森の中を一心不乱に走る・・・・いや、逃げている。
「んもうっ・・・・!追ってこないでよ・・・!しつこい・・・・!!!」


少女を追っている物――マグ。
ヌメヌメした透明の物体で、体こそあるものの“心”は無い。
いわば抜け殻だ。

そのマグが、ある機関から集中的に出ている。
そのマグが人々を脅かしているのだ。


「・・・・あっ!!」
少女は転んだ。
「・・・・・・イヤァ・・・・・!もうだめ・・・・・・・・・・・!!!!」






【・・・・・・・・・・・・・・・・・バンッ!!!】


《キッ、キオエェェエ・・・・・・・・》
マグはフニャフニャと消えていった。
「・・・・え・・・・・・・・・・・・・・」
「大丈夫ですか!?」

向こうから声がした。

「もう大丈夫ですよ♪」
はにかんだその人物に、少女はドキリとした。
(うわぁっ・・・・かわいい子・・・・・すごい美少女ね・・・・・・・・)

「・・・・あの?」
「ああ、ありがとう・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・一人で森を歩いていたのですか?危ないですよ?この辺は特にマグが出ますし・・・・・」
「・・・・・・・・それでも・・・・・行かなきゃだめなのよ・・・・・・!!!」

そういい、パサッ・・・とフードを落とす。
少女は・・・いわゆる“美少女”だ。
長い茶色の髪に茶色の目。
整った長いまつげに凛とした顔立ち。
そして、どこか謎めいていた。

「・・・・・・・・・・・・・・あの・・・・・・・・・・・・・お供してもよろしいですか?」
「えっ!?」
「・・・見たところ、“ガン”を持ってはいないですよね?でしたら、一人じゃ危ないです。だから、僕がお供しますよ」


(・・・・・・ン?僕?)
「・・・ねぇ・・・君・・・・・もしかして・・・・・・・男の子?」
「えっ?ハイ、そうですよ。よく女の人に間違われますが・・・・・」
「ええええ〜〜〜!!!??男の子だったのぉ!!!???」

少女が間違えるのも無理は無い。
少年は、男にしては長い、薄い栗色の髪の毛で、長さは肩まで。
青く澄み切った瞳。
そして、全体的にも明るく可愛げのあるその姿は、やはり少女にしか見えない。

「・・・あ、ごめんね。・・・・そうね・・・・・・・お供をお願い」
「えっ?あ、ハイ♪あ、僕はエル。“エル=オリヴァー”です」
「私はクレア。“クレア=フローレンス”よ」
「ハイッ♪よろしくお願いしますね、クレアさん!」
「ええ・・・・・・・・・っっ!!!」
「!?クレアさん!?」
「ああぁぁっ・・・・・・!!!ハアッ、ハァッ、ハァッ・・・・・・」

時々クレアには発作が起きる。
時々胸が苦しくなり、しばらくすると治まる。
「ハァッ、ハァッ・・・・・・・・・もういいわ・・・・ありがとうね、エル君。」
「いえ・・・・・・クレアさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、こんなのしょっちゅうだもの。・・・・・・それよりも、私は行く場所があるの。お父さんが捕まってるのよ・・・・・」
「わかりました!!じゃあ、行きましょう!!!ところで、どこへ?」
「ああ・・・・・・・・・・・・・・・・・マグを操る機関よ」
「!!!」
「?どうしたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕もです」
「え?」
「僕も・・・・・その機関へ行くところでした」
「エッ!?」
「・・・・フフッ、じゃあ行きましょう、クレアさんっ!!」
「ええ・・・・・・・・あなた本当にかわいいわね」
「・・・・やめてください(恥)」


何の運命か少年と少女は出会った。
目的は違えど同じ場所へ向かう。


この二人の運命は・・・・・・・・・・・・・?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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