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灰色同盟 作者:綾音

第15回   第十四章 悲しみと憎しみ
「・・・・っえ・・・!?」
エル達は全員絶句だった。
レイの水色の長髪は紫色に変わり、白く細かった手足は黒く太く変わった。
「・・・・ウウウウウ・・・・ウグルル・・・ガァァ・・・・・・・・・」



「寄生型だな」
ユリアが冷静に言う。切れ長の目がまっすぐにレイを捉えていた。
「寄生型っ!?でもさっきは・・・」
「ああいうのもある。・・・普段は人間だ。だから自分が寄生されているなんて気づけない。そしてある一定時間になるとマグになってしまう…マグとなり人々を襲う。…そして一定時間を過ぎると人間に戻る。その間の記憶はゼロだろう。・・・ミス・ヤーズも・・・・・その一種だ・・・そして・・・その形の寄生型は一生死ぬ事もなく人を襲い続ける・・・・」
「・・・・ユリアさん・・・・じゃあ・・・レイさんを・・?」
ユリアほどではないが、それでも冷静にクレアが問う。二重で大きい瞳がレイを見つめる。
「・・・・ああ・・・。寄生した人間はもう助かりようが無い。死んでしまう。…早い方が良いだろう、彼女にとっても………彼女の場合は死ぬ事は無いだろうが…」
「・・・・・・・・・・・・っ・・・・・・・哀しい・・・・・哀しいっ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ」
そしてリチェも来る。彼女が歩くたび大きな胸が揺れる。
「んも〜〜〜〜〜〜・・・・許せないわねぇ〜〜・・・関係ない人を巻き込むなんてぇ・・・これは・・・・クラーネット期間を潰すまでね〜〜〜〜〜」
能天気な声。でも心情は楽観していないはずだ。


その中で一人エルは黙りこくって『過去』を思い出していた。
青い瞳に涙が浮かぶ。
「・・・・っ・・・・」
エルは必死で自分を抱きしめていた。





「エル!!!!!」
クレアの声でハッと我に返る。
「ハッ、ハイ!!!!」
**********************************

『ウガアアアアアアアアア!!!!!!!アアア、ウガアアアアア!!!!』


《キャアアアアアアアアア〜〜〜!!!!!》

マグへと変化したレイが、次々に人々を襲い建物を壊し、倒れている人間にマグを寄生させようとしていた



【ドギュンッ!!!!!!!!!!!!!!!】

『ウガア!?』
リチェの撃ったガンの弾がレイの右肩を貫く。
いや、アレはもはやレイではない。醜いマグだ。



『ウアアアアアアアア〜〜!!!ガアアア!!ガアアアア!!!!!!』



レイがリチェに襲い掛かる。
































「・・・・・・・・・・・・・・・ウッフン、なめないで・・・」








ウィンクしたと同時にリチェが片手でガンを撃つ。


『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』



レイの心臓を弾が貫いた。


『クゥゥウゥ・・・・』

トサッ!と倒れる。
醜いマグの姿は消えか細い美少女レイに戻った。


「レイさんっ!!!!」
エルがレイを抱き起こす。

レイは口から血を流し潤んだ瞳でエルを見上げる。


決して憎んでなどはいない、感謝していた。


「・・・・・・・・・・・・ゴホッ・・・・・ありがとう・・・あり・・・・が・・・・と・・・・あ・・・・の・・・ね・・・・・わた・・・し・・・きづい・・・てた・・・自分が・・・・・・マグ・・・だって・・・・・・みとめ・・・たくな・・・かった・・・・・・・・・・・・・・・・・みなさん・・・お願い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クラーネット機関・・・・・つ・・・ぶして・・・・」
































刹那力は抜け、レイの瞳が閉じる。
その瞳は二度と開く事はなかった。


「レイさん!!!!レイさん!!!!!!!!!」
エルが泣き叫ぶ。
「・・・っ・・・」
クレアもなく。
「・・・ミスター・オリヴァー・・・その憎しみを・・・目的へ変えろ・・・・・」


ユリアが冷静に、それでも哀しげにエルに言った。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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