「・・・・っえ・・・!?」 エル達は全員絶句だった。 レイの水色の長髪は紫色に変わり、白く細かった手足は黒く太く変わった。 「・・・・ウウウウウ・・・・ウグルル・・・ガァァ・・・・・・・・・」
「寄生型だな」 ユリアが冷静に言う。切れ長の目がまっすぐにレイを捉えていた。 「寄生型っ!?でもさっきは・・・」 「ああいうのもある。・・・普段は人間だ。だから自分が寄生されているなんて気づけない。そしてある一定時間になるとマグになってしまう…マグとなり人々を襲う。…そして一定時間を過ぎると人間に戻る。その間の記憶はゼロだろう。・・・ミス・ヤーズも・・・・・その一種だ・・・そして・・・その形の寄生型は一生死ぬ事もなく人を襲い続ける・・・・」 「・・・・ユリアさん・・・・じゃあ・・・レイさんを・・?」 ユリアほどではないが、それでも冷静にクレアが問う。二重で大きい瞳がレイを見つめる。 「・・・・ああ・・・。寄生した人間はもう助かりようが無い。死んでしまう。…早い方が良いだろう、彼女にとっても………彼女の場合は死ぬ事は無いだろうが…」 「・・・・・・・・・・・・っ・・・・・・・哀しい・・・・・哀しいっ・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ」 そしてリチェも来る。彼女が歩くたび大きな胸が揺れる。 「んも〜〜〜〜〜〜・・・・許せないわねぇ〜〜・・・関係ない人を巻き込むなんてぇ・・・これは・・・・クラーネット期間を潰すまでね〜〜〜〜〜」 能天気な声。でも心情は楽観していないはずだ。
その中で一人エルは黙りこくって『過去』を思い出していた。 青い瞳に涙が浮かぶ。 「・・・・っ・・・・」 エルは必死で自分を抱きしめていた。
「エル!!!!!」 クレアの声でハッと我に返る。 「ハッ、ハイ!!!!」 **********************************
『ウガアアアアアアアアア!!!!!!!アアア、ウガアアアアア!!!!』
《キャアアアアアアアアア〜〜〜!!!!!》
マグへと変化したレイが、次々に人々を襲い建物を壊し、倒れている人間にマグを寄生させようとしていた
【ドギュンッ!!!!!!!!!!!!!!!】
『ウガア!?』 リチェの撃ったガンの弾がレイの右肩を貫く。 いや、アレはもはやレイではない。醜いマグだ。
『ウアアアアアアアア〜〜!!!ガアアア!!ガアアアア!!!!!!』
レイがリチェに襲い掛かる。
「・・・・・・・・・・・・・・・ウッフン、なめないで・・・」
ウィンクしたと同時にリチェが片手でガンを撃つ。
『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』
レイの心臓を弾が貫いた。
『クゥゥウゥ・・・・』
トサッ!と倒れる。 醜いマグの姿は消えか細い美少女レイに戻った。
「レイさんっ!!!!」 エルがレイを抱き起こす。
レイは口から血を流し潤んだ瞳でエルを見上げる。
決して憎んでなどはいない、感謝していた。
「・・・・・・・・・・・・ゴホッ・・・・・ありがとう・・・あり・・・・が・・・・と・・・・あ・・・・の・・・ね・・・・・わた・・・し・・・きづい・・・てた・・・自分が・・・・・・マグ・・・だって・・・・・・みとめ・・・たくな・・・かった・・・・・・・・・・・・・・・・・みなさん・・・お願い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クラーネット機関・・・・・つ・・・ぶして・・・・」
刹那力は抜け、レイの瞳が閉じる。 その瞳は二度と開く事はなかった。
「レイさん!!!!レイさん!!!!!!!!!」 エルが泣き叫ぶ。 「・・・っ・・・」 クレアもなく。 「・・・ミスター・オリヴァー・・・その憎しみを・・・目的へ変えろ・・・・・」
ユリアが冷静に、それでも哀しげにエルに言った。
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