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灰色同盟 作者:綾音

第10回   第九章 決心
「エヘヘヘヘー♪さよならっ♪」
ペロペロとキャンディーを舐めながらルナが笑う。



【・・・・・・・・・・サァァ――――・・・・・・】


「!?」
ルナが驚く。
ユリアの周りには青いバリアーが貼られていた。
「・・・・・・・・・・・・・・ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・!!!・・・“トラップネット=バリアー”だ・・・・・・・・・・」
「フ〜〜〜〜〜ンッ!!!“ガンチップ”ね!」
ガンには、弾の他にチップと言うものを入れられる。
基本的に弾は、威力を増すことが出来るもので、マグを撃つ物だ。
それに対しチップは、身を守ったり相手を縛ったりのできるアイテムだ。
この場合にユリアが使った“トラップネット=バリアー”は、自分の身を守るチップなのだ。
「・・・・フン!なーによっ!!!もーすぐ楽になれるのに!どーして人間って、わざわざ自分から苦しもうとするわけー?ルナちゃんわっけわかんな〜〜〜〜い!」
不気味な目をしたルナがキャハハと笑う。
「・・・・・・・・自分から苦しもうとするのでは無い。生きて大切なものを守りたいから生きるんだ」
「大切なものぉ???アハハハハハハハハ!!!!な〜〜〜に言っちゃってんの???あんた、自分の“大切なもの”を殺しちゃったくせにぃ♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「さーて、とどめさしちゃう??」


【ピッピッピ♪ピッピッピ♪】
「あ、お姉さまだわ♪」
突然音が鳴り、ルナが自分の右手を見る。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
ユリアは絶句した。

ルナの右手には、人の――それも、女性の口が現れていたから。
「もしもしぃ?お姉さま?」
『ルナ、今どこにいるの?』
「あたし、今、ユリア=マリオネッドといる所よ!も〜そろそろとどめだけど・・・」
『やめなさいっ、もうすぐお父様が帰ってくるわよ!』
「ゲッ、お父様が・・・・・・」
『まだ12歳のあんたが、一人で戦いに行ったなんて知ったら、お父様怒るわよ〜?お兄様ももうすぐ帰ってくるわ、早く来なさい!』
「ハ〜〜〜イ!帰ります!!!」

【ニュルルルゥ・・・・】
ルナの右手から口が消える。
「ア〜〜〜〜〜〜アアッ!つーまんないのぉ!!!もーちょっとであんたを殺せたのにさ!!!!!まぁ、いいわ♪あんた、どーせ“お仲間”と一緒にあたしのおうちに来るんでしょう?その時に相手しましょ♪」
始終ペロペロとキャンディーを舐めながら、スゥ・・・とルナの姿が消えた。

「!待て!」
が、すでにルナの姿はどこにも無かった。

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「えええ〜〜〜〜!!??あんた、ムチャしたわね〜〜〜!」
呑気な声をあげるのが、リチェ。
「ユリアさんっ、大丈夫でした!?」
「大丈夫だ、ミスター・オリヴァー」
「・・・・“エル”でいいですよ」
「呼び方くらい好きにさせろ」
一旦4人は合流し、新たに食料等を調達していたのだ。
「・・・にしても、謎は増えますね」
クレアが言った。
「その、ユリアさんが言った“ルナ=オーソネット”は・・“アタシのおうち”っていったんですよね?だったら、クラーネット機関には人が住んでいる??」
「だろうな、ミス・フローレンス。少なくとも4人の人間は確実に住んでいる。ルナ=オーソネット、その兄、姉、そして父。・・・母親もいるのかもしれないがな。それに他にもいるかもしれない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ、一刻も早く行きましょう」
「そうだな」

4人は決心した。
必ずクラーネット機関にたどりつくことに。

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「可愛いルナちゃ〜〜〜〜〜ん?こっちへおいで・・・」
「ハ〜〜〜イ、お父様〜〜〜〜♪」
「ときにルナ、お前は今日何をしていたんだ?」
「え(ドキッ)・・・っと、一日中お姉さまと遊んでましたわ♪」
「ホウ・・・、お前から“選ばれし者”の臭いがするのは気のせいか?」
「きっ、き、気のせいですわぁぁ!!!そ、それよりもお父様?あの計画はすすんでますの?」
「ホッホッホ、ルナちゃんは賢いなぁ。ああ。できてるとも。もうすぐ、人類は破滅だ・・・・」
「楽しみですわね♪♪♪」

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Novel Editor by BS CGI Rental
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