「エヘヘヘヘー♪さよならっ♪」 ペロペロとキャンディーを舐めながらルナが笑う。
【・・・・・・・・・・サァァ――――・・・・・・】
「!?」 ルナが驚く。 ユリアの周りには青いバリアーが貼られていた。 「・・・・・・・・・・・・・・ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・!!!・・・“トラップネット=バリアー”だ・・・・・・・・・・」 「フ〜〜〜〜〜ンッ!!!“ガンチップ”ね!」 ガンには、弾の他にチップと言うものを入れられる。 基本的に弾は、威力を増すことが出来るもので、マグを撃つ物だ。 それに対しチップは、身を守ったり相手を縛ったりのできるアイテムだ。 この場合にユリアが使った“トラップネット=バリアー”は、自分の身を守るチップなのだ。 「・・・・フン!なーによっ!!!もーすぐ楽になれるのに!どーして人間って、わざわざ自分から苦しもうとするわけー?ルナちゃんわっけわかんな〜〜〜〜い!」 不気味な目をしたルナがキャハハと笑う。 「・・・・・・・・自分から苦しもうとするのでは無い。生きて大切なものを守りたいから生きるんだ」 「大切なものぉ???アハハハハハハハハ!!!!な〜〜〜に言っちゃってんの???あんた、自分の“大切なもの”を殺しちゃったくせにぃ♪」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「さーて、とどめさしちゃう??」
【ピッピッピ♪ピッピッピ♪】 「あ、お姉さまだわ♪」 突然音が鳴り、ルナが自分の右手を見る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」 ユリアは絶句した。
ルナの右手には、人の――それも、女性の口が現れていたから。 「もしもしぃ?お姉さま?」 『ルナ、今どこにいるの?』 「あたし、今、ユリア=マリオネッドといる所よ!も〜そろそろとどめだけど・・・」 『やめなさいっ、もうすぐお父様が帰ってくるわよ!』 「ゲッ、お父様が・・・・・・」 『まだ12歳のあんたが、一人で戦いに行ったなんて知ったら、お父様怒るわよ〜?お兄様ももうすぐ帰ってくるわ、早く来なさい!』 「ハ〜〜〜イ!帰ります!!!」
【ニュルルルゥ・・・・】 ルナの右手から口が消える。 「ア〜〜〜〜〜〜アアッ!つーまんないのぉ!!!もーちょっとであんたを殺せたのにさ!!!!!まぁ、いいわ♪あんた、どーせ“お仲間”と一緒にあたしのおうちに来るんでしょう?その時に相手しましょ♪」 始終ペロペロとキャンディーを舐めながら、スゥ・・・とルナの姿が消えた。
「!待て!」 が、すでにルナの姿はどこにも無かった。
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「えええ〜〜〜〜!!??あんた、ムチャしたわね〜〜〜!」 呑気な声をあげるのが、リチェ。 「ユリアさんっ、大丈夫でした!?」 「大丈夫だ、ミスター・オリヴァー」 「・・・・“エル”でいいですよ」 「呼び方くらい好きにさせろ」 一旦4人は合流し、新たに食料等を調達していたのだ。 「・・・にしても、謎は増えますね」 クレアが言った。 「その、ユリアさんが言った“ルナ=オーソネット”は・・“アタシのおうち”っていったんですよね?だったら、クラーネット機関には人が住んでいる??」 「だろうな、ミス・フローレンス。少なくとも4人の人間は確実に住んでいる。ルナ=オーソネット、その兄、姉、そして父。・・・母親もいるのかもしれないがな。それに他にもいるかもしれない」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ、一刻も早く行きましょう」 「そうだな」
4人は決心した。 必ずクラーネット機関にたどりつくことに。
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「可愛いルナちゃ〜〜〜〜〜ん?こっちへおいで・・・」 「ハ〜〜〜イ、お父様〜〜〜〜♪」 「ときにルナ、お前は今日何をしていたんだ?」 「え(ドキッ)・・・っと、一日中お姉さまと遊んでましたわ♪」 「ホウ・・・、お前から“選ばれし者”の臭いがするのは気のせいか?」 「きっ、き、気のせいですわぁぁ!!!そ、それよりもお父様?あの計画はすすんでますの?」 「ホッホッホ、ルナちゃんは賢いなぁ。ああ。できてるとも。もうすぐ、人類は破滅だ・・・・」 「楽しみですわね♪♪♪」
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