■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

わたしは きらわれっこ 作者:綺依 憂倭

第3回   氷美のこと
「やめ て」
「止める訳無いじゃん、きしょいんだよお前!」

あたしを虐めるときの氷美の顔は
とても輝いてて
楽しそうに 物凄く

「氷美、さあ」

蹴られ続けて
苦しい 息の中
氷美に問うた


 
 
  ひと いじめるの

 
 
 
  
 
 
 
 
 
           たのしい、の? 
 
 
 
 
 
 
 

氷美は
凍てつく様な
微笑みをくれた

― まるで 氷の様な ―

とても美しかった

― 氷細工のように ―

「楽しい、よ」

一気に落胆した
有り得ないよ、この人

その後部活で聞いた話だが
英美さんはあたしと氷美の事を
監視していたらしい

本人曰く、

「木崎虐めのリーダーだって事は前々から検討付いてたし、木崎はあたしの友達だから」

その後 微笑んで言ってくれた
― 何かあったら あたしに言いなさい
本当に 頼りがいの有る 人だと思った

でもだったら助けてよ、という思いも
少し わき出てきたりするんだけれど
そんな贅沢なこと言えないのは分かってるんだけど

― 分かってるんだけど。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections