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わたしは きらわれっこ 作者:綺依 憂倭

第2回  
この前 体育館裏に呼び出された

「何英美とちょっと仲良いだけでしゃしゃってんだよ此のデブ!!」

蹴られた 殴られた
引っ張られた 踏まれた
潰された 破かれた
裂かれた 切られた
怪我した 大怪我した

 
 
 もう やだ
 
 
 


部活中
英美さんにも言われた

「ねえ 木崎」

  殺して あげよっか 


恐かった 物凄く
英美さんには
言葉で表せないぐらいの
… オーラが ある
人を威圧するような
オーラ

「…何言ってんの?英美酷いね」

いつものように 言えなかった
苦笑しながら 硬直しながら
声を震わせながら 言った

「――――冗談、だよ」

無表情に無感情の声
そんな英美さんをずっと見てた


恐い 人が
みんなみんな 恐すぎる
助けて …無理か
みんなあたしのこと嫌いなんだもんね

「助けてよぉ…」
「きもいんだよ!」

嫌だ 嫌だ 嫌だ
聞きたくない
もうあたしを
痛みつけないで

英美さんに痛々しい視線を送られた
…痛いね 視線が

「木崎 あんたさあ」

英美さんの言葉を遮って
氷美があたしを呼んだ

「木ー崎ー」

あたしを虐める奴
一番最低な奴
氷美 氷美 氷美

「…氷美、何」

言ってから後悔した
呼び捨てにしてしまった、と
後できっとぼこられるんだろうなと思った
氷美様って 言えよ
みたいにね

廊下に引きずって行かれた
思い切り蹴られた 鳩尾に入った
………嫌だな
ねえ 英美さん
助けてください

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Novel Editor by BS CGI Rental
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