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わたしは きらわれっこ 作者:綺依 憂倭

第1回   私のこと そして 英美さんのこと
…知っている 
昔から ずっと
嫌われていることは ずっと 前から

知ってる 


知ってる 昔から
みんな上辺でにこにこしててさあ

「木崎さん」

なんて呼んでくれない

「一子ちゃん」

なんて呼んでくれない

みんな みんな

「木崎」

って呼ぶ
変なあだ名を付けて呼ぶ人もいる
きさきなんて言う名字は
あんたに似合わないと言って
カスとあたしを呼んでいる人達もいる

――――・・・悲しい
でも 良い どうでも良い


小学時代
凄く慕っている女の子と
同じ部活に入った

「英美さん英美さん」

彼女はみんなに好かれていて
とても頼りがいのある子だ

「何よ、木崎」

大きな笑みを浮かべながらあたしの名を呼んだ
どことなく 完全と言う言葉で埋め尽くされる
意地悪そうに にやりと笑った

一義 英美さんは
同じ一同士だが
全然性格も違う

英美さんは何でも出来る
完璧人間
あたしは
何も出来ない
全然駄目駄目人間
超不完全人間

「英美さん 今日部活有るよね?」
「知らないわよ あたしに知ったこっちゃ無いわ」

そう言ってくすりと笑った
昼の放送できっと流れるわ、と言って
身を翻して
何処かへ 歩いていった

英美さんは酷い
けど格好いい

「何よ木崎」

なんて言う酷い言葉を投げかけてくるけど
結局は優しすぎるんだ

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Novel Editor by BS CGI Rental
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