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その言葉を待っていた 作者:綺依 憂倭

第4回   4
「ふへー」
「なっ・・・なに・・・不味いの?」
「いやいやいやいやいや。俺はそんなことぁいってないだよ、華那恵ちゃん」
「なによ、言いなさいよ。じれったいわね」
「すんげえ美味い!!天才じゃねー?」
「そう?ありがとー」
今あたしは好きな人――――・・・雄二とご飯食べてます。
昔ッからあんな感じ。
中学あたしの地域では2つのどっちかに入れたんだけど
雄二はあたしと同じ所行く、とか言って
本当に来やがッた。まったく。嬉しいけどね。
家は隣だった
学校行くのも一緒で
なにするにも一緒だったかなー・・・
それで今あたしのことを妬んでる人がいるの。
小学校の頃から嫉まれてばっかりだなあ
あたしのどこを妬んでるんだかわからん。まったくだよ。
「ごちっ」
「早いねー」
「華那恵なんで食べないの?」
「あー・・・あんま食欲ないし」
「じゃあ俺が食うよ?いいの?」
また。冗談よしてよ
「ふ、別に良いよ」
「あむ。」
ほんとに食ったああああああああああああああああああああ!!!!
「あっ、あのちょっ・・・」
「なにー?もう遅いよ?それとも俺の食いかけ食べたいとか」
「いや、それはない」
「ふんふんふん美味しいなーあ美味しい美味しい」
「さーてあたしは珈琲でも飲んでいっぷくしましょか」
「しょかって;」
「ふふ」
「それにしてもテラスで食事するっていいなあ」
「そうかな」
「さすが最上階」
「どうも」
苦笑いをしながら珈琲メーカーを持ってくる
「あ、俺もね」
「あーい」
2人分の珈琲を注いだ
「ミルクは?」
「いるいる」
「分かった」
ささ、とミルクを取りに行く
「はい、一応砂糖も付けといた」
「おう」
・・・雄二綺麗な顔してるなあ
横顔とか凄い綺麗・・・
見とれてるといきなり雄二が声をかけた
「華那恵」
「!!!あ、ちょっとあたし・・・っ」
いそいでテラスから出ようとする
するとガッ、と腕を捕まれる
「そんな・・・行くなよ」
ハスキーな掠れ声で囁く
顔が赤くなるのを感じた
「華那恵」
きゅ・・・
「ちょっ・・・雄二・・・?」
「行かないで・・・華那恵」
まだ掠れ声・・・
「どっ・・・どうしたの?雄二がこんな事するなんて」
「・・・・・・・・・」
よく見ると・・・・・・・
寝てる
「嘘、寝てる?何で・・・」
あ、あぁ、そっか
部活に荷物持ち
疲れるの当たり前だよね――――――・・・
「ベットに連れて行ってあげよ」

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Novel Editor by BS CGI Rental
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