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その言葉を待っていた 作者:綺依 憂倭

第3回   3
あたし、華那恵。
ちょっと足元がふらついて・・・
「華那恵!!!」
「・・・・・・は・・・・・・」
「大丈夫か?!」
「え・・・雄っ・・・・・・雄二?」
「間一髪だったぞ。大丈夫か?無理すんなよ?」
雄二が受け止めてくれたのかなあ
「だっ・・・大丈夫・・・行こう?買い物」
「ん・・・うん」
まだ雄二は心配そうにあたしを覗き込む
うん?と空元気を絞る
「ふっ・・・さあ、いこうかあ。」
うんっと背伸びをしてにこっと微笑む
「・・・ッ」
脚に激痛が走る
捻挫したんだわ
「大丈夫か」
「へ・・・平気」
「ん、しょ」
雄二はあたしの腕を自分の肩に回す
「ひゃっ!?良いよッ!!悪いし……」
「俺がいいっつってんだし、ね」
意地悪い笑みを浮かばせ、腰に雄二が手を回す
「ま、いっか。行こう」
きゅ、とヒールを履くと音が鳴った
「で、何買うの?」
「あー・・・ええっとねチーズとベーコンと生ハムとキャベツ」
「レタスは?」
「おぉ、忘れてた」
「ふ、馬鹿が」
優しく微笑んで、優しい吐息をもらしてあたしの頭をつつく
勘違い・・・期待しちゃうからやめてよそういうの
好きな子にやりなさいよ、馬鹿
「馬鹿で結構こけこっこーっだ」
「何ふくれてるのさ」
雄二があたしのふくらませたほっぺたを潰す
「ん、いや別に」
「そう。」
そして2時間後
「買い物も終わったし、あたしの脚も回復したし!!ふぬ!雄二荷物貸して」
「は?持てねえだろ?華那恵」
「だーいじょうぶ」
「・・・任せてみっかあ。ん、はい」
「・・・・・・・・・・・・・・・重い」
「ほらみろ」
「ごめ〜〜〜〜〜〜〜ん・・・」
雄二は荷物を奪い取るようにあたしの手から取った
てか・・・期待したあたしが馬鹿だった・・・
回復したばっかの脚なのにこんな重さに耐えられるかっての!!!!
「てか、華那恵の細い脚でこの重さに耐えられるとでも思ったのかよ」
笑いながらいう
「う゛っ」
「図星かよ」
「んーまあ・・・」
「早く家に帰ろうぜ」
「あいあい。急かすな」
速足で帰ったせいか、スーパーから15分で着いた
「こっからあたしの出番よふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「怪しいぞ」
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふそうかしら。おっほほほほほほ」
「・・・・・・・・・誰・・・・・・・・・?;;」

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Novel Editor by BS CGI Rental
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