■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

その言葉を待っていた 作者:綺依 憂倭

第14回   14
「麻帆ちゃん・・・・・・・・・。」
「華那ちゃん!!あたし、哉田君とキスしちゃった!!!!」
―――知ってるよ。
「え?華那チャン喜んでくれないの・・・・・?」
当たり前だろ。あたしは雄二が・・・好きなんだから。
「そんなわけないじゃん!!良かったね!!麻帆ちゃん!!」
嘘ついちゃった。
ふととなりを見ると李依が睨んでいた
「でしょ?!明日も待ってるって言ったらね無言で行っちゃった・・・。来ると思う?」
「わかんないよ。あたし。雄二じゃないんだから」
苦笑だとばれないように頑張って本当の笑いに近くした
「華那、あたし先行くよ?」
「あ、もうそんな時間?」
「うん」
李依も苦笑を浮かべる
「ごめん麻帆ちゃん。ちょっと行かなくちゃあ・・・」
「そっか。分かった。ごめんねー。んじゃ後でね」
麻帆ちゃんは手を振ってあっちへ行ってしまった
「なんで嘘つくの」
「仕方なく」
「仕方なくじゃないわよ!!」
今度はぐーで殴られた
「はー?一体あたしが何をしたって言うのよ・・・?;」
「したわよ」
「何を」
「麻帆も親友なんでしょう?親友に嘘ついた」
「・・・ごめんなさい」
軽く頬を引っ張る
「・・・まあ、今回のは麻帆が悪い」
「だよね!!」
「だよねじゃありません!!」
がこん。
また殴られた。
「痛いんですけど・・・李依さん」
「痛くしましたよ、華那さん」
ほんっきで
痛いゆうとんねんか!!
「うううううう・・・」
「泣くな華那」
頭を少し撫でる
「泣くよ、そりゃあ。だって痛いもん」
李依は少し笑った
「ごめ〜ん」
そしてあたしは俯いた
「でもさ・・・華那、いつまで隠すの?」
「・・・・・・・・・雄二さあ」
「うん」
「モテるから・・・すぐ彼女出来るって・・・だから・・・言わない・・・」
李依はあたしの顔を無理矢理上げて言った
「あんた、それだからだよ。雄二くんも気づかないのよ・・・」

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections