生まれて初めて彼女ができた。
彼女の名前は『前原 茜』(まえはら あかね)
俺がこんなことを言うのもどうかとは思うが彼女は可愛い。
そんな彼女からの想定外の告白があったときは心臓が止まるかと思った。
彼女は明るく、その上頭の回転が速く、成績も俺よりも良い。
だけどその頭の回転に体が付いて行っていない気がする。
まぁ、要はドジっ子だ。
でもそんな彼女が俺は好きだった。
世の中がこんな状態じゃなければもっと良かったのだけれど。
生まれてはじめて彼氏ができた。
彼の名前は『岡崎 遼』(おかざき りょう)
彼の第一印象は『怖い人』だった。
顔は格好良いけどその目つきと無口さが人を近寄らせないオーラみたいなものを発していた。
でも話していくうちにわかった。
彼は不器用なだけだということに。
本当は人を思いやる心が人一倍強かったのだけど、口下手でうまく言えないだけだった。
私は彼のそんな優しさに惹かれたのだと思う。
でも、こんな世の中じゃなければ私は告白なんて勇気は出せなかったと思う。
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