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幸せの光 作者:ぷにっつ

第3回   +なごり雪+



全てを多い尽くす雪よ。

ただ深深と降り融け行く運命に在る雪よ。

その運命の中で貴女は何を思う?


◇なごり雪◇



二匹のリヴリーがいた。

「うう〜っ・・・寒い」

ケマリが言った。

そして隣に居た小柄なピグミー(なのだがケマリと並んでいるのでそう見えない)が答えた。

「・・・確かに寒いな。昨日は暖かかったのに・・・」

びゅぉっ!と風が吹く。昨日は心地の良い風だったが今は寒さを含んでいてありえないほど寒い。

「とりあえず私らは羽毛の島があるからいいとして・・・」

「他の寒い島に住むリヴリーたちはどうしてるんだろうねえ。」

「まあでもユキムグリなら逆に多分この環境のほうがいいんだろうし、

リヴリーは寒さを感じても凍死はほとんどの確率でない。大丈夫じゃないか?」

「う〜ん。そうだね〜」

二人は羽毛の島でのんびりしていた。

と、誰かが島に来た。

ヴァンッ

「・・・?あ、訪問者かな?」

そこには濃い赤褐色のヴォルグがいた。

「こんにちわ〜」

「おうっ!温かそうだな。俺も入れてくんねえ?」

羽毛の島を指差していった。

「いいよ〜寒いもんねえ」

「ほんとだよな〜。もう寒くて寒くて。」

そういいながらヴォルグは羽毛の島にもぐりこんだ。

「まじあったけぇな!」

「放浪か?」

紺月は聞いた。少し無礼な感じだったがどうやらヴォルグは気にせず答えた。

「おぅよ。ほんとはレベ上げ目的で放浪してたんだけどよ、
 
 いつの間にか温かいとこ探しになっててな。」

そういってヴォルグは豪快に笑った。

「確かに何かしてると本来の目的と違う目的になっちゃうことあるな」

「今日寒いもんねえ〜」

そういって三匹は島で暖まる。

また強い凍えるような風が吹く。

「・・・なあ。私たちももうそろそろ放浪いかないか?」

「え〜・・・寒いよ?」

「だからといってずっとこうもしてられねえだろ?」

「う〜ん・・・」

ふう、とため息をついた。

「べつに嫌ならここにいていいけど?」

そういって立ち上がった。

「待ってよ〜」

そういって羽毛の島からでた。

「も〜・・・お前はついてこなくていいって。」

「ええ〜だって寂しいよ〜」

「ヴォルグがいるだろ!?―――?」

そういって放浪者を見ようとしたが、そこには居なかった。


「よっしゃー!俺も一緒に放浪すっぜ!」

「ね?」

紺月はため息をついた。




―――結局、三人で放浪することになった。

空が、曇り始めた。



放浪中にヴォルグが話しかける。

「雲いきが怪しくなってきたな。」

「ほんとだあ。この温度なら・・・」

「確実に雪・・・だな。」

紺月が答える。


「おいおいこれ以上寒くしてどうすだよ・・・」

そうぼやいたが、その意思とは逆に雲はどんどん厚くなってゆく。


100回放浪を終えた三匹は羽毛の島に戻った。


「おし!もうそろそろ俺は自分の島に戻るぜ。」

「うん。放浪つきあってくれでありがとね〜」

「いやいや俺の方こそ色々ありがとな!」

あ・そうだ、とヴォルグはいった。

「なあ、今度良かったら俺の島にも遊びに来てくれよな。」

何にも無いけどな、と笑った。

「ああ。今度行ってみる。」


少し沈黙が続いて、


「よし。じゃあ、またな!」

そういってヴォルグが去ろうとしたとき。


びゅぉっ!と風が吹いた。


「あ―――――!」


白い光の粉が、空から舞い降りてきた。

風に煽られながら、ふわりふわりと羽毛の上に堕ちてとけた。


「この季節に雪が降るなんて・・・珍しいな。」


そういって三匹でその雪を見ていた。


「なごり雪・・・って奴だな。」


「うん。綺麗だね〜」

「多分これからは暖かくなるだろうな・・・これが多分最後でしばらく雪は見れないだろ」


そういって雪を眺めた。


「さて、と。雪が降ってる間にかっこよく去ることにしようかな」

「じゃあ、また今度遊びに行くね〜」

「おう!」


そういってヴォルグは雪が降る中去っていった。



雪が舞う空の下、二匹になったリヴリーはずっと空を眺めていた。

紺色に染まり始めた空を白い銀の光は舞う。

儚くそして美しく降り続ける雪をずっと、ずっと見ていた。








―――別れを惜しむかのように、その雪はしばらく舞い続けた。





+++++++++++++++++++++++++++++++++
「なごり雪」・・・ってそのままだなオイ。

どうも〜、相変わらず上の詩が意味不ですが軽〜く無視しちゃってください(爆)
ところで最近本当になごり雪を見ました。というよりかソレでこの小説を思いついたんですけどね。
いや〜、すぐにやんじゃったけどその儚さが良(強制終了)
予想外に感想等を沢山頂いてびっくりしてます!
もちろん全部読んでますよ、飛び跳ねながら(藁)。
にしても・・・また新キャラでちゃったよ。しかもまた名前ないし(再爆)
名前考えるの苦手なんですよ;;
赤褐色ヴォルグさんもう大好きで堪りません。I love vorugu.(死)

リクエスト等がありましたら受け付けます。
「こんなリヴだして!」「雪(例え)のエピソード書いて!」見たいな感じで。
感想等も遠慮なくばんばんしちゃってください!

でわ更新なるべく早くできるようにがんばりますんで、
情けない管理人ですがよろしくです〜。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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