空を見上げた。そこには変わらず空が広がってた。
いつも見上げればそこに空は在る。
つい忘れがちだけど―――――――――とても大切なコト。
+春の歌+
どこかの島に、ケマリとピグミーがいた。
ピグミーの方は少し小柄なのだが、ケマリと並んでいると自然に小さく見える。
「ん〜・・・気持ちいい・・・」
目を瞑ってケマリが言った。
「・・・確かに否定はしねぇけど、昨日からずっと日向ぼっこじゃねえか。」
少しピグミーは不満気味に言った。
「いいじゃない。あったかいし。」
「・・・お前、たまには出かけようって思わないのか?」
「何で?」
「何でって・・・」
あまりにもマイペースな親友に、少し頭をかかえる。
そこで最終手段に出た。
「まあいいや。私はちょっと出かけるよ。」
「ええ?どこいくの〜?」
「別に?そこらへんをぶらぶら。」
「ボクも行くっ」
紺月は心の中でニヤリと笑った。
本当にその通りに紺月たちは放浪をしてぶらぶらしていた。
と、大分放浪して日が真上に昇った頃である。
――――――――っ・・・
「・・・?今、歌が聞こえたような・・・・・?」
「・・私には聞こえんかったけど?」
「・・・」
耳を澄ます。
―――――――っ、――――・・・・・・
「・・・私にも確かに聞こえた。」
「うん。どっちだろ・・・?」
「―――こっちだな。」
二人は声をたどった。
そして、いきなり―――――視界が開けた。
そこには黄色い花が、一面咲き乱れていた。
「凄い・・・」
思わず声が出た。
歌声はその花畑の中央から来ていた。
そこに居たのは、周りの菜の花より少し濃いラヴォクスだった。
済んだ歌声が響いている。
「・・・とりあえず終わるのを待つか。」
「そうだね〜」
日が傾き始めた頃。やっとその歌は終わった。
そしてラヴォクスもやっとこっちに気づいたようだった。
そして微笑んだ。
「ここに人が来るのは珍しいですね。」
「貴女の歌声が聞こえてきて、たどってきたんだ。」
「あ・・・もしかしてもっと前から居ました?」
「うん〜。まあ勝手にこっちが待ってただけだから気にしなくていいよ?」
「・・・。曲おかしくなかったですか?」
「全然。というか綺麗だった。」
そう言うと静かに微笑んで、よろこんだ。
「よかった・・・この歌、飼い主様しか聞かせたことないんです」
「へえ〜、じゃあボクたちが二番目なのかな?」
「そうなりますね」
三人はそれから黙った。
ざぁ・・・と風が吹いた。
菜の花に少し遮られた赤い空に、黄色の花びらが舞う。
「ホントにここ、絶景だねえ」
ラヴォクスは嬉しそうに、言った。
「ここは私が飼い主様に―――捨てられた後、途方もなくさ迷ってた時に見つけたんです。
その時も、こんな感じに菜の花が咲いてて・・・
それから私はこの花の咲く間だけ、ここで歌を歌って過ごすんです。」
「なるほど・・・」
「ねえ」
「なんでしょうか?」
「ボクたちも、この花が咲く間ちょくちょく寄らせてもらっていいかな?」
ラヴォクスは少し驚いたようだが、優しく微笑んだ。
「全然構いません。と、言うより是非いらしゃってください」
「ありがと」
その言葉にラヴォクスは微笑みで答えた。
日が沈みかけている。
菜の花の間から見える空は紅く染まっていた。
黄色と、赤と、リヴリーが三匹。
ただ三匹は無言でその風景を眺めていた。
と、紺月が思い出したように言った。
「なあ、もう一曲聴かせてくれないか?」
そのリクエストにゆっくり微笑んで、息を吸い込んだ。
紅い空と黄色い大地に、花と風と共に歌も舞い始めた。
+++++++++++++++++++++++++++++++ どうも〜、春の小説第二段です!
相変わらず微妙な小説で御免なさい;; 今回はリクエストがあったラヴォクスを出させて頂きました。 ご希望に添えているか凄く不安です・・・orz しかものんびりほんわかのハズのが今回やけにシリアスなんですが。 た、たまにはシリアスもいいかな〜なん、て・・(最後声小さいぞ ごごごごご、ごめんなさ(銃音)
気を取り直して・・・感想思いのほか頂いて飛び跳ねるどころか感涙してました(うざ まさか本当にもらえると思ってなかったんで・・・もちろん全部読んでます! これからもしょぼい管理人ですが感想等頂けると嬉しいです。
リクエスト等がありましたら受け付けます。 「こんなリヴだして!」「雪(例え)のエピソード書いて!」見たいな感じで。 感想等も遠慮なくばんばんしちゃってください!
でわここら辺で!皆様またできたらお会いしましょ〜
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